「Surprise Yourself.」

ロンドンオリンピックのオフィシャルワールドワイドパートナーの日本エイサーが、ロンドンオリンピックを目指す女性選手たちをモチーフにした短編アニメを同社のサイト上で配信している。アニメ化したのは、女子アスリートチーム「SUNRISE JAPAN」のメンバーだ。

2010年のバンクーバーオリンピックから公式スポンサーになっている日本エイサー。ロンドンオリンピックでは、PCやモニタ、サーバーなど、2万5000台を提供するほか、技術者を約350人派遣して運営をバックアップする。また、機材の提供だけではなくテクノロジーとスポーツの共有の理念である「自分自身への驚き」を応援したいという思いから、キャンペーン「Surprise Yourself.」を展開。短編アニメの制作・配信を開始した。

主人公には、女性アスリートの地位向上と認知拡大を目指して結成した「SUNRISE JAPAN」のメンバーから、ボクシングの伊藤沙月、山崎静代、レスリングの浜口京子、ビーチバレーの浦田聖子、西堀健実の5選手が選ばれた。

第一弾は、女子大生ボクサーの伊藤沙月選手をクローズアップした「Surprise 4U~沙月の不思議な挑戦~(前編)」。伊藤選手は、高校時代、ボクシングを始めてわずか1年の2008年に、全日本ライトフライ級チャンピオンになった新進気鋭のボクサーだ。

アニメーションは、『攻殻機動隊』や『機動警察パトレイバー2』など、数多くのアニメ作品を世に送り出してきたアニメスタジオ、Production I.Gが制作。監督は、『BLOOD』シリーズの原案者の一人でもある藤咲淳一氏だ。

制作にあたって伊藤選手にインタビューした藤咲監督は、「チョコが大好きとか、ネイルに興味があるとか、ふつうのかわいい女のコだった。ところがリングに上がってミット打ちを見たときすごい迫力で……。ミット打ちの音が凄かったし、目に力があった。この人は戦う人なんだと思った」と第一印象を語った。

そして、「アニメは『自分自身への驚き』がテーマ。彼女の人生で最大の驚きは、高校で初めてグローブをはめた瞬間だと思う。映像では、ボクシングと出会った高校時代から現在までの移り変わりを描いた。高校の練習場や現在練習している大学の練習場は、写真を借りて本物に近いイメージで再現した」とこだわりのポイントを挙げた。

藤咲監督は最後に「成功したい、一歩先に行きたいと思っている人にぜひ見てもらいたい。作品を見て、よしやろう、頑張ろうと感じてもらえたら」と視聴者にメッセージを送った。

近日中に公開する後編では、2016年のリオデジャネイロオリンピックを想起させる場所で試合をする伊藤選手が登場する予定だ。