多彩な用途で活躍するFMラジオ&ボイスレコーダー「LRT-FMVR01BK」

シニア世代を中心に、ボイスレコーダーを備忘録として活用する人が増えているという。シンプルな設計のボイスレコーダーなら、スマートフォンに苦手意識があっても簡単に使いこなせるからだ。ロジテックが1月に発売した、FMラジオ&ボイスレコーダー「LRT-FMVR01BK」は、まさに急増するシニアのニーズを満たす1台だ。試用してみると、備忘録だけではない有効な活用方法がわかってきた。

シンプル操作で起動・録音、誰でも使えるシンプル設計

小さい本体に多数のボタンがある一般的なICレコーダーとは異なり、「LRT-FMVR01BK」の操作部のインターフェースは最小限。電源ボタンは、再生/一時停止ボタンに集約し、長押しすれば起動する。これならマニュアルとにらめっこすることなく、直感的に使いながら操作方法が身につきそうだ。押し間違いを防ぐよう、丸みを持たせるなど、操作ボタンも工夫してある。

スクエアで統一したデザインも特徴的だ。横幅はスリムだが、厚みは十分にあるので、手で握ったときに滑り落ちにくく、軽量・小型なので、上着のポケットに入れて日常的に携帯するのも苦にならない。液晶画面に表示される文字も大きく、とても見やすかった。

用途は備忘録だけにあらず、仕事や語学学習にも活躍

「備忘録のためだけにボイスレコーダーを用意するには……」という人もいるかもしれないが、実は用途はそれだけではない。ビジネスからプライベートまで、さまざまなシーンで活躍する。

例えば、会議の録音。複数の人の声も明瞭に記録でき、議事録代わりとして活用できる。通常モードより高感度の「ゲインアップモード」に切り替えれば、音声はより鮮明になる。さらに、一定の音量を感知して自動で録音/一時停止する「VOX機能」をONにすれば、会議中の発言だけを取り込むことも可能だ。

これらの機能は「メニュー」ボタンを押すと画面の最初に表示される「録音設定」から簡単に設定できる。もちろん「通常モード」で十分なクオリティの録音が可能なので、少しでも難しく感じたら、無理にいじる必要はないだろう。

また、録音も可能なFMラジオを搭載し、ラジオの英会話講座を録音しておけば、好きな時間に聞き返して学習できる。語学学習に必須のリピート再生機能も、もちろん搭載。指定した部分の音声を繰り返す「A-B間リピート」は、本体側面のリピートボタンを押すだけで範囲を設定でき、使いやすかった。

再生スピードが17段階と細かく調整できるのも、語学学習で活用しやすい点だ。テンポが速く聞き取れないネイティブ発音をスロー再生するなど、実践的な反復訓練が可能になる。

なお、内蔵メモリの容量は8GBだが、最大32GBのmicroSD/microSDHCカードを追加することができる。日常的に録音しておきたい番組がある場合や、コンテンツによって保存場所を分けておきたい場合に便利だ。

ワイドFM対応で災害時の備えにも最適

FMラジオは、防災対策としても注目されている「ワイドFM」に対応。AM放送は性質上、環境によっては電波を受信しにくいことがあるが、ワイドFMならばFM放送用の周波数でAM放送を視聴することができる。音も通常のAM放送と比べてクリアになるので、いま使用しているラジオに聞き取りづらさを感じているなら、試してみる価値があるだろう。

電気が止まってしまったとき、ラジオは重要なライフラインになるが、電波が悪く、聞き取れなければ本末転倒。電池とセットで防災カバンに入れておけば、万が一の際にも安心だ。

もし、AM/FMに加え、テレビ放送も受信したいなら、ワンセグチューナーを内蔵したロジテックのポータブルラジオ「LRT-1SA01P」もおすすめだ。「LRT-FMVR01BK」同様、防災バックに入れたり、日常的に携帯したりして、防災対策として活用できる。

名刺サイズとコンパクトながら、AM放送なら33時間、FM放送なら19時間、テレビ放送なら24時間と長時間の連続再生が可能な点も安心だ。本体と一体になった自立スタンドを使えば、広範囲に音を届けることもできる。

「LRT-FMVR01BK」も「LRT-1SA01P」も、シニア向けという位置づけだが、、ボイスレコーダーとして十分な機能を搭載し、幅広い層のユーザーが満足できる出来に仕上がっている。「シニアが使える」ことを前提に設計しているため、どの機能も操作が簡単で、スマホにハードルを感じている人も安心して手に取れるだろう。防災グッズとしても有用なので、遠方に住む両親へのプレゼントとしてもおすすめしたい。(BCN・大蔵 大輔)