性教育なんてまだまだ先の話…と思っていませんか?

実は、小さな子どもと“性”の話は無関係ではありません。自分でトイレができるようになる2歳頃から5歳頃は、自分の性器に興味を持つ年頃でもあります。

子どもから「なんでパパにはおちんちんがあるの?」「どうしてママや女の子にはおちんちんがないの?」「女の子と男の子でおしっこするところの形が違うのはなんで?」などと、答えるのが難しい質問をされることも珍しくないのです。

疑問に答えてあげることも大切ですが、「大事なところを人に見せちゃダメ」というマナーや性被害に対する注意も、早めに伝えておきたいですよね。

そこで今回は、性教育の本の中でも、内容がわかりやすく、ママが声に出して読みやすいものを探してみました。

子どもに読み聞かせて、自然に性の知識を伝えましょう。

おちんちんの存在が気になる男の子&女の子に

『おちんちんのえほん』(からだとこころのえほん)』

■やまもとなおひで(著)、さとうまきこ(絵)、ポプラ社

トイレに行ったときやお風呂に入るとき、必ず目に入るもの。男の子なら、気にならない子はいないでしょう。ヒマがあるとしげしげと見つめて観察したり、さわってみたりする子もいます。

女の子だって、パパの股間を見るたび「なんでこんなものが?私やママにはないのに…」と不思議に思っているはず。

そんな「おちんちん」への興味を入り口として、幼児や小学校低学年の子ども向けに、基本的な性の知識をやさしいタッチのイラストと柔らかい語り口でわかりやすく教えてくれるのが、この本です。

主な内容は、男の子と女の子の見た目の違い、おしっこやうんちをするところを人に見せないマナー、「知らない人についていかない」という性犯罪に関する注意、男女それぞれの体の構造、赤ちゃんができて生まれてくる仕組みなど。

さらに、おちんちんの洗い方や、「汚れたパンツはお風呂で洗っておこう」なんてことまで書かれています。幼児に伝えておきたい性の知識は、ほぼ網羅されているのではないでしょうか。

性行為(セックス)に関する描写は、「パパの『せいし』とママの『らんし』。ふたつの『いのちのもと』がであって、きみがうまれた」と、かなりぼかした表現ですが、ママにとっては、かえって声に出して読みやすいでしょう。

就学前の幼児の場合、性への興味といっても、自分の性器への興味や、人間という生き物に対する知的好奇心が中心。思春期のティーンエイジャーのように、異性やセックス自体に強い興味があるわけではないので、幼児に読み聞かせるならちょうどいい内容といえます。

女の子の「プライベートゾーン」の大切さを教えてくれる

『わたしのはなし (おかあさんとみる性の本) 』

山本直英、和歌山静子(著)、童心社

まだ羞恥心のない幼児は、パンツや肌が見えていてもあまり気にしません。それどころか、ときにはふざけて人前で下半身を丸出しにすることも…。

特に女の子の場合、スカートをはく機会が多いですし、お行儀や知らない大人の視線には気をつけてほしいですよね。

ただ、単に「パンツが見えないように気をつけて」と言っても、理由が明確にわからないと、子どもはなかなか言われた通りにはしてくれないものです。

そんな女の子&ママにおすすめなのが、この本。

お話の前半では、「愛ちゃん」というどこにでもいそうな元気な女の子の日常生活を紹介しながら、女の子の心と体、プライベートゾーンの大切さを伝えていきます。

そして後半は、「プライベートゾーンを他人にのぞかれたりさわられたりしたら『やめて』と言う」「知らない人につれていかれそうになったら絶対について行かない」という重要な注意喚起に続きます。

「あなたの存在は大切。だから体を人に見せちゃダメ」という流れでお話が展開するので、子どもも納得しやすいはずです。

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