【工夫その3】判決のない法廷ドラマでディスカッション!

「昔話法廷」の特徴の一つが、あえて判決を描かない、ということ。

視聴者一人ひとりが裁判員となり、登場人物の言い分をもとに、自分なりの判決を考えます。一人で見ても楽しめますが、友だち同士や親子で一緒に見れば、「有罪か、無罪か」「実刑か、執行猶予か」など議論を交わすことができるんです。

「プリ・ジュネス2016」での受賞だけでなく、2016年のグッドデザイン賞にも選出された「昔話法廷」ですが、その際の審査委員評価ポイントがまさに「視聴後に議論が活発化される事も企図したオープンエンドの設計」(グッドデザイン賞公式サイトより)。

手がかりとして、放送後には公式サイトで「裁判員の考える判決」も公開されます。ただし、これはあくまで一意見。子どもたちが自分で納得できる結論を出せるよう、上手に導くことができるか? パパ&ママの大人力が試されます!

8月15日放送の「さるかに合戦」裁判では、カニの母子を殺した罪で猿が裁かれる

8月14・15日放送の最新エピソード、その焦点は?

親子で見ればもっと楽しめる「昔話法廷」、その気になる最新エピソードをちょっぴりご紹介。

8月14日放送は第7話「ヘンゼルとグレーテル」裁判。お菓子の家に暮らす魔女がかまどの中で焼殺され金貨をすべて奪われた事件で、被告人はヘンゼル(二宮慶多)とグレーテル(新井美羽)の兄妹。検察官(小西真奈美)は“強盗殺人罪”を主張します。

しかし、2人の弁護人(志賀廣太郎)は「正当防衛」による無罪を主張。2人のしたことは、親に捨てられた身の上で人食い魔女から逃れるための行為であり、罪に問われるものではないと訴えます。

15日放送の第8話「さるかに合戦」で審理されるのは、かにの母子が柿をぶつけられ殺害された事件。検察官(小林聡美)は被告人・猿に殺人罪で死刑を求めますが、弁護人(小澤征悦)は犯行に計画性がないと主張し「猿は生きて償うべき」と訴えます。証人として被告人・猿の妻と、親を殺された子ガニが出廷。どんな人間ドラマが描かれるのか注目です。

8月14日放送の「ヘンゼルとグレーテル」裁判では、魔女殺害の真相が明かされる

放送時間はそれぞれ午前9:30~9:45。15分で完結する本格法廷ドラマ「昔話法廷」をきっかけに、夏休みに親子でディスカッション! そんな刺激的な体験はいかが?

ライター。業界紙、エンタメ系雑誌記者を経て、現在フリーランス。日々の暮らしに「へぇ〜」のアクセントを提供したいと日々勉強中。関心あるテーマは教育、お金、哲学。好きな本のジャンルは児童書・YAで、特技は物語の世界に入りこむこと。