放っておいてください。そのままダメになるようなら、一度つまずかせたほうがいい

出典(『学ぶ心に火をともす8つの教え』)

武内さんが最良とする対処方法がこうなのです。

というのも、無理やり親がスマホを取り上げたとしても、うまくいくケースがないからです。それほど、今の子どもたちにとってスマホは生活の一部となっているのです。

ですから、自分自身で気をつけようと思わない限り、その生活スタイルは変わらないのです。一度、痛い目にあって、自分の意思で変わることが大切なのです。

そんな時に、親としてキチンと迎え入れることが大切なのです。

ですので、「だから言ったでしょう!」「親の言うことを聞かないから!」と言って、子どものことを全否定したり、逃げ道の無い方向に追い込んではいけません。

子供には、『失敗する権利』があるのです。そして、『自分の力で立ち直る権利』もあります。両方があってはじめて成長できるのだと思います。そのせっかくの成長のチャンスをつぶしてしまうのは、もったいないことです

出典(『学ぶ心に火をともす8つの教え』)

スマホを取り上げたり、また、頭ごなしになって叱りつけたりはせずに、そっと見守ることが、結果的に良いようです。もちろん、スマホを使っているからといって見放すこともなく、必要があれば、親の気持ちを伝える。シンプルな向き合い方を武内さんは推奨しています。

これから子どもにスマホを与えようとしている方は、このことをしっかり覚えておきたいですよね。

さて、最後に、日比谷高校で実際に運用されているSNSルールをご紹介しましょう。

「LINEのタイムラインの公開先には気をつける」「自分が特定できる情報を流す時は鍵アカウントにする」といった、独自ルールを生徒たち自身が作って運用しているのです。学校側が一方的に決めたルールではなく、どうしたら良い?と言う問いかけに生徒たちが自分たちで答えたのです。

大人が見せるべきなのは、疑いではなく信頼の姿勢です。このSNSルールのように子どもたちを信頼し、『適正だと思う範囲を自分たちで考えなさい(あなたたちを信頼しているよ)と伝えれば、子ども達は大人が受け入れられるだけの答え(信頼)を返してくれるものです』

何よりもまずは、子どもを信頼すること。そして、その姿勢を見せることで、子どもと一緒にスマホと向き合っていくのです。

これが名門校をV字回復させた武内さんの、スマホに対する考え方。いずれやってくるスマホ問題の際に、参考にしたい考え方ですよね。