■自分の支援したい団体に、無理のない範囲でお金を

寄付をする、ということは特定の活動目的にその資金を送るということです。例えば人工衛星「はやぶさ2」の開発を支援したい人はJAXAに直接寄付をすればその活動を直接的に支援することができます。海外の発展途上国における子どもの食と教育を支援したいと思う人は国連WFPというプログラムに寄付をすれば活動を支えられます。もちろん、震災復興支援や被災者のケアに活動を続けている団体もたくさんあります。

「高額の寄付なんてお金持ちのやることでは?」と思う人も多いかもしれません。確かにお金持ちの起業家などが何千万円もの寄付をする例が増えていますが、数千円、数万円の寄付の積み重ねも、多くの人の参加により、同じぐらいの力を生み出すことができるというわけです。

■寄付金の一部が税金から戻ってくる!

ところで、実名で寄付をし領収証をもらっておくと、翌年2月に行う確定申告により、還付金をもらうことができます。これは、寄付金控除と呼ばれる仕組みです。

寄付金をした分、所得税が少なくなるということは、国に税金を納めるのではなく、その分寄付をした団体にお金が回ったということですから、これは実質的に「自分のお金の使い道を指定する」ということです。ただ税金を納めるのではなく、自分のお金の有効な使い道を自分で決められるなんてちょっと嬉しいですよね。

現在、寄付金控除には「税額控除」という税金額そのものが直接減る制度があり、「(寄付金額-2000円)×40%」が還付されます。簡単にいえば、寄付した分の約4割相当が税金のほうから戻ってくるということです。つまり、2万円寄付をすると7200円税金が戻ってきます。実質的な寄付への負担は6割弱でいいということです。いいこと(寄付)をして、さらにいい気分(税金がキャッシュバック)になれる。そう考えてみてはどうでしょうか。

確定申告の手続きはとても簡単で、寄付をした団体から領収証を受け取り、その金額と年末にもらう源泉徴収票の金額を国税庁のWEBで入力するだけで確定申告書がPDF出力できる仕組みになっています。ただし、寄付金控除の対象となる団体でない場合もありますので、寄付をする前に各団体のWEBを確認してみてください。

匿名でランドセル等の寄付をする「伊達直人」もいいのですが、もしかすると必要な物資が必要な個数届いていない可能性もあります(あるいは送りすぎることもある)。むしろ、信頼できる団体に適切な使い方を判断してもらう「実名の寄付」のほうが私はスマートで格好いい、と思います。