2000年代前半、Waiveのギタリストとして、現在ではソロ活動と平行してゲームへの楽曲提供など多方面で活躍しているアーティスト・杉本善徳さん。喉の不調のため2月9日の渋谷O-EASTライブ「GIG『ヨシノリズム2』-さよなら善徳先生-」をもって無期限活動休止を発表した彼に現在 の心境や、音楽シーンについて、ライブ当日に無料配布されるアルバム『善徳-zentoku-』について伺ってきました。

 
――2月9日のライブで「杉本善徳」名義での活動は一旦休止されるとのことですが、発表されている通り喉の問題なのでしょうか。

善徳:休止すると決めたきっかけは9割9分喉なんですけど、喉以外にも体調が悪くて、どうもこれは喉以外も診てもらったほうがいいかなと。僕、15年以上いわゆる人間ドッグみたいな検査も行ってないですし。休むことになった以上はフルに回復させるために全部診てもらったほうがいいのかなと思いますね。

――回復の兆しが見えたらまた活動も再開するというビジョンもあるということですか?

善徳:そうですねえ。もちろんしたいんですけど(笑)。例えば、音楽に限らずなんにせよ自分たちのいる業界から1年間離れた人って、思いのほか1年間で世の中が変わるんだなって感じちゃうと思うんですよね。休んだ期間にもよりますが、またやろうと思った時に、シーンがどうなるのかとか、音楽っていうコンテンツがどうなっているのかが、大きく関係しちゃうんじゃないかなって思うんですよね。自分の気持ちだけの問題じゃなくって。

――例えば、今と5年前のシーンも全然違いますもんね。

善徳:僕自身、キャリアが結構長くなってきてるので、今からいわゆる若いムーブメントを起こすような世代を取り込んでいくのは、新しいことをしない限りむずかしいと思っています。

もちろん自分と同じ様に月日を重ねてきてくれたファンの方を相手にするのなら、自分たちの時代を作り続けていればいいのかなと。新しい時代を作る必要がないというか。

でもやっぱり常に新しく足し算をして行かないとダメだと考えていくと、5年前と今とは絶対違うことが受けてると思うし。仮に現在から5年後を予想してみたとしても、完全な予測はできないにしても、今受けてるものは通用しないと思うから。

結局は時代を牽引している要素って、ある意味集合体として起きている気がして。今だったら、たとえばゴールデンボンバーやももクロが受ける時代に、絶対とはいえないけど地味なフォークは流行りにくいかなあと。逆に「メッセージ性で勝負だ!」みたいなものが流行ってる時代に、お祭り騒ぎが流行らないと思うし。それってどういうことが関係しているのかがわからないけど、集合的に大きい枠で流行ってるって考えた時に似てくる気がして。これは僕の分析でしか無いけれど、経済が音楽と関係している気がしているから。