近年、企業が行う選考も多種多様になってきました。昔からある面接(個人・集団)・筆記試験・性格適性検査、グループディスカッションなどに加え、ディベートやプレゼン選考(テーマを決めて、準備した企画を発表する)や、応募者同士がお互いに質問しあう面接など、ますます個性ある選考を行う企業が増えています。個性的な選考は応募者の印象にも残り、企業の宣伝という一環も兼ねています。

「面白い選考だったから、この企業に決めました」と言われるのは、もちろんそれだけで決めたわけではないでしょうが、人事としてもうれしいものです。人事にとって自分の企業を受験してくれる方というのは、お客様と考えます。もちろん選考する側、される側の違いはありますが、基本的に平等です。しかし、いまだに応募者を下に見ていたり、採用意欲に欠ける企業が多いことも事実です。面接の傾向を見て、そのような企業に惑わされないようにしましょう。
 

1.圧迫面接を行う。

ネット上に○○社で圧迫面接を受けたという書き込みをよく見かけます。一昔前までは、ストレス耐性があるか、根性があるかと確かめる意味で、わざと応募者の回答を否定したり、態度が悪かったりする面接がありましたが、今ではすっかり廃れました。

もしいまでも、圧迫面接を実施している企業があったら、就職後の仕事がストレスまみれ(たとえば飛び込みのみの営業)であったり、社内でパワハラが横行している可能性があるといえるでしょう。いわいるブラック企業の可能性が高いと言わざるを得ません。圧迫面接は応募者の活動意欲を著しく減退させる立派な社外パワハラです。
 

2.面接官同士が面接中にひそひそ会話している。

面接官が複数名であることはよくあることですが、大抵が質問役(部下)と聞き役(上役)に分かれています。中には逆のパターンもありますが、面接中に面接官同士がひそひそ会話しているシーンをたまにみかけるときがあります。その場合は、事前の面接官同士の意思の疎通が図れていない状態といえるでしょう。

一発勝負に挑んでいる応募者に対して、受け入れ側がその状態では、企業側の採用人員体制に問題有り。企業の顔ともいえる人事採用担当がそれでは、あまり期待できる企業とはいえないでしょう。
 

3.面接官が過労死しそうな雰囲気だ。

こちらはスーツのしわも気にして臨んでいる面接で、面接官の元気がない。眼もうつろで服装もシャキッとしていない場合は、採用担当が他の仕事も兼務しているなどの理由で、採用担当の許容を超えた人数の面接が行われている可能性があります。これも2と同じく、企業側の採用人員体制に問題があると言わざるを得ないでしょう。
 

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