ベッドで覆いかぶさったり、2人でお風呂に入ったり(笑)

撮影/小嶋文子

――お互いを見ていて、役柄と重なる部分はありますか。

草川:まずはビジュアルがまんまですよね。漫画のシンがそのまま出てきたような。あとは演じている時もスイッチが入った瞬間に「シンだ」って思ったことがたくさんあったし、匠くん自身も思ったことに真っすぐで、そういうところはシンと重なるなと思っていました。

西垣:そうなんですよ。僕も突っ走ってしまうタイプなので、バレてたんですね(笑)。逆に普段の拓弥さんからは湊さん要素はあまり感じられなくて。サバサバしているし、0か100かみたいに白黒つけるタイプなので、湊さんみたいに濁したりしないです。湊 晃はグレーにし続ける人ですからね。

でもお芝居をしていると湊さんなんです。それが本当にすごいなと思いました。僕はシンに近い部分があったから、自分に寄せられたので演じやすかったんですけど、湊さんは拓弥さんとは真逆のナヨナヨした男だったから。

撮影/小嶋文子

――草川さん自身は湊のことをどう感じていたんですか。

草川:僕はグレーが好きじゃないというか、白黒はっきりつけたいタイプっていうのは匠くんの言う通りだし、思ったこともそのまますぐに言うので、最初に台本を読んだ時は湊よりもシンに共感できる部分の方が多かったです。

あとは実際に僕と湊は同じ27歳なんですけど、このドラマの情報が発表された時は、「アラサーに見えない」って言われて。

だから見た目とか、仕草とか、声のトーンやしゃべり方とか、そういう外側の部分からも寄せていきましたし、中身的にも気持ちの動きは意識していました。そこは自分なりに解釈しながらやっていきました。

――演じ方は監督とも相談されたのでしょうか。

草川:今回、監督が三名(金井純一、湯浅弘章、枝優花)いらっしゃったんですけど、それぞれにやり方が違ったので、その都度考えながらやっていました。やっぱり難しい部分もありましたけど、吸収する部分もありました。

ただ3、4話を担当した湯浅監督とは何度かご一緒(ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』『ジェンダーレス男子に愛されています。』)しているのでスムーズにできました。

撮影/小嶋文子

――西垣さんも演じる上で意識していたことはありますか。

西垣:シンは感情の起伏が表情にあまり出ないので、無表情なのに怒っていたりするんです。だからとにかく内面を重視していました。口数が少ない人ほど、心が燃えていなきゃそれが伝わらないと思ったので。

あとは恋愛もので、シンが攻める側なので、壁ドンとか、顎クイとかの胸キュンシーンをやることもあったんですが、それをきれいに見せようとか、カッコ良くやろうとか、そういうことは考えないようにしました。

もちろんそういう考えもよぎったんですが、シンをやる上ではそれはちょっと違うなって。余計なことは考えず、その時のシンの気持ちを大切に演じるようにしました。

©缶爪さわ・椿ゆず/ KADOKAWA/「みなと商事コインランドリー」製作委員会

――演じていて印象に残っているシーンはありますか。

草川:湊にもシンにもあるんですけど、妄想シーンが実はすごくて。

西垣:結構攻めてますよね。

草川:ベッドで覆いかぶさったり、2人でお風呂に入ったり。文字にするとパンチが強すぎる(笑)。

西垣:妄想だからって結構ハチャメチャなことをしているから(笑)。

草川:その時の2人の設定には沿ってなくて、妄想だからすごいんですよね。

西垣:一瞬ですけどね。

草川:その一瞬なのもいいんですよ。ずっとは見せないっていう(笑)。

――そういうシーンは恥ずかしがらずにできるのですか。

西垣:撮ってる時は別にそんなに思わないんですが、放送されるものを観たら「おお~」ってなるんだろうなって(笑)。

草川:そうだと思う。自分じゃ見られない仕上がりになってるかと。確かに撮ってる時はそんなでもないんですけど……でも、距離も近いし、ドキドキはしましたけどね(笑)。