気鋭の小説家として知られる樋口毅宏さんは2歳児のパパ。妻の三輪記子さんはタレント弁護士として大忙しで、樋口さんが創作活動と主夫の二足の草鞋を履く毎日です。

エッセイ集『おっぱいがほしい!: 男の子育て日記』でも人気の樋口さんに「男の子育て」について聞きました!

孤軍奮闘ママから共感の嵐!育児や夫婦の裏側、こんなにバラしちゃって大丈夫?

――男の育児日記『おっぱいがほしい!』拝読しました!

樋口毅宏さん(以下、樋口):ありがとうございます!

――樋口さんはハードボイルド作家としてだけでなく『タモリ論』や『さよなら小沢健二』など、ママパパ世代カルチャーの語り手としてもご活躍です。それで『おっぱいがほしい!』も、いわゆる“イクメン”クリエイターのキラキラしたエッセイなのかな?と思って手に取ったんですが、全然そんなことなくって(笑)

樋口:赤裸々、ですよねぇ(笑)

――「樋口託児所、二十四時間年中無休のブラック企業」「……みんな、こんな大変なことをしてきたの?こんなに苦労して子供を育ててきたのに、それでも威張ったりしないんだ?」とつぶやくあたり、多くのママが「そうなのよッ!」と声を大にして叫びたいところではないかと。

さらにパートナーの三輪さんについても「『どんなに疲れていても帰ってきたら笑顔で迎えろ』だと?」「あなたの大嫌いな男根主義者とどう違うのか」などなど、家で待つ身として直球過ぎるほどの愚痴から、産前産後の夫婦生活のアレコレまで、よくココまで書いたなぁという・・・

樋口:『おっぱいがほしい!』は育児日記に見せかけた、妻への悪態本ですから。

でも僕が妻をすごいなって思うのは、これだけ“どヒンシュク”な“男性遍歴暴露”をいくら書いても、ただの1回も「これはやめろ」っていうのはなかったんです。

『週刊新潮』に連載していた当時、原稿が書けたら妻にもメールで送っていましたが「ちょっと、このエピソードは変えて欲しい」とかも、一切ありませんでした。

なおかつ偉いなと思ったのは『おっぱいがほしい!』が出版された時、妻は自腹で150冊買って、同業の弁護士の人たちに、自分の恥が満載のこの本を配ったんですよ。

愛情を込めて、“器がガバガバ”と言わせて頂きます(笑)

――三輪さん、いまをときめく“美人弁護士”として情報番組にバラエティに引っ張りだこなんですけど・・・

樋口:タレント活動もですけど、本業の弁護士活動の方が、すごく頑張ってますよ。

彼女のツイッターを見てもらえばわかりますが、信念がなければあそこまで精力的に働けません。

『おっぱいがほしい!』は、サブタイトルが「男の育児日記」ってなっているんですけど、読んでいただけると分かると思いますし、妻本人も認めていることなんですが、我が家の場合むしろ、妻が“男”なんですよね。

――ああ、だから『おっぱいがほしい!』に“イクメン”臭(?)がしないのかもしれません。

樋口さんは男性で、パパなんですけど、“主夫”というより“主婦”としての本音というか、ママとして「分かる~」というシーンがたくさんありました。

樋口:妻のお義母さんからしたら、『週刊新潮』を毎週買っていらしたというので、発売日の木曜日には、思うところがいっぱいおありだったと思いますけど。

――お義母様、本当に読んでいらっしゃったんですか?「三輪記子ヤリ〇〇伝説」とか、ごめんなさい、ハピママ*では伏せ字にせざるを得ないようなネタもいっぱい書かれているのに・・・三輪さんにしても、三輪さんのお母様にしても、その懐の深さは想像を絶しますね。

樋口:(笑)

僕がいま主夫をしているのも、3年前の自分には想像もできませんでした。