【ガチ中華】のフードコートで「麻辣香鍋」に挑戦!?

中華フードコート「沸騰小吃城」

中村:「中華フードコート」と一口に言ってもスタイルはさまざま。

例えば池袋の「中華フードコート」の先駆け的存在で、立川・松戸・福岡にも展開している「友諠食府」では、日本ではあまり見られない方法で会計をします。

詳しくは写真を見てもらいたいのですが、ちょっと分かりにくいあたりが海外旅行っぽいというか、より“ガチ”なのかもしれません(笑)。

池袋の「友諠食府」に掲示されている会計方法

中村:今日ご案内する「沸騰小吃城」は席につくとすぐQRコードが渡されて、オーダーから支払いまでスマホで完結します。電子マネーでも、現金でもOKです。

中村:では早速「麻辣香鍋」、頼んでみましょうか!

中村:「麻辣香鍋」は2000年代半ばに北京の若者の間で爆発的な人気となって、中国全土に広がった「麻辣」メニューです。

「鍋」と書きますが「火鍋」のようなスープがないので、辛さにむせるのも避けやすく、本格派でありながら「麻辣」に耐性がない人でも比較的食べやすい料理といえます。

「沸騰小吃城」の「麻辣香鍋」は2~3人で囲むボリューム

中村:でもやっぱりそれなりに「麻辣」ですから、冷えたビールや、中国の甘~いジュースが合いますよ!

「沸騰小吃城」青島ビール530円・梨ジュース600円

中村:「麻辣香鍋」は一度茹でたり、炒めたりしたさまざまな具材をひとつの鍋に集め、各店自慢の「麻辣」味に仕上げるのですが、専門店ではズラッと並んだ食材から好きなものをセルフで選んで店員さんに渡し、「麻辣香鍋」としてもらうところもあります。

でもいきなり、たくさんの中華食材からお好みのものをピックアップするというのは難しいので、「沸騰小吃城」のようなフードコートで「麻辣香鍋」として出来上がっているものを食べてみて、それから専門店へ行ってみれば、戸惑わずに済むのではないでしょうか。

ところでこの「麻辣香鍋」、ルーツは「四川料理」なのですが、それこそ現地をよく知る人などは「四川は内陸で海もないのに、どうしてエビなど海産物が具材に?」と不思議に思うかもしれません。

それがまさに先ほどお伝えした「21世紀の中国」で、物流が発達したことにより、地方料理も飛躍的に進化しました。

「麻辣香鍋」は【ガチ中華】のみならず、現在進行形の中国をも象徴している料理、といったら言い過ぎかな?(笑)

――【ガチ中華】、奥が深いですね……。では【ガチ中華】案内人として、最後に読者にお伝えしたいことなどあれば、ぜひ!

中村:日本国内で【ガチ中華】は、東京近郊なら

・池袋を中心とする埼京線エリア(池袋・高田馬場・新大久保・新宿)

・総武線沿線の城東エリア(小岩・新小岩・錦糸町)

・上野~御徒町エリア

・蒲田エリア

・西川口・蕨エリア

のほか、私鉄やJR沿線の駅前にもそれぞれ1~2軒は見かけるほど、広く点在しています。

首都圏だけでなく、中国語圏の人たちが暮らしているところには、彼らの胃袋を満たす【ガチ中華】があります。

「町中華」のような店構えでも厨房には中国の人がいて、同胞には【ガチ中華】を提供している「隠れ【ガチ中華】」も少なくありません。

自分だけのお気に入りの【ガチ中華】を見つけに、ぜひ出かけてみてください!

※情報はすべて取材時(2022年夏)のものです。

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。