コードレスステッィククリーナーを購入して以来、負荷の大きかった「掃除機がけ」は夫の担当に。男性の家事参加は、家電メーカーの製品企画や広報戦略にかかっている

【<連載>CM・意識調査から考える】 一般的に、家事・育児は女性がメインで担うものとされ、それを助ける男性は家事・育児に「参加する」といわれる。本来なら、男女を問わず、主体的に行い、時間がない場合や素人では難しい部分はハウスクリーニングなどの専門業者に頼めばいいだろう。

少子化の原因とされる、男性の家事参加率の低さ

内閣府のWebサイトでは「少子化対策」という項目で、「男性の世代別の労働時間」と「6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児時間」のデータを示し、他の世代より労働時間の長い30~40代の男性が家事・育児に非協力的なため、少子化が進んでいると指摘する。さらに、夫の休日の家事・育児時間と第2子以降の出生状況について「正の関係性がみられる」と分析している。

また、大手ハウスメーカーの大和ハウスが20~40代の働く母親(ワーキングマザー=ワーママ)を対象に実施した調査によると、ワーママの多くが夫は家事への意識が低く、落ちているゴミを拾ったり、出しっぱなしのはさみを引き出しにしまったりといった「名もなき家事」の日々の積み重ねを負担に感じ、心理的・時間的な負担になっているとわかった。負担軽減のためには、子どもに手伝ってもらうなど、家族の協力が欠かせない。

内閣府男女共同参画局は啓発用ポスターを作成し、「男性の暮らし方・意識が変われば日本も変わる」と呼びかけている。その一方で、家電メーカーは、従来通り、主に女性を想定して製品を企画・開発しているように感じる。プレスリリースの使用イメージのカットにも女性しか登場しない場合が多い。

「母の日」に本当に欲しいものは?

日本記念日協会によると、主要記念日の推定市場規模は「クリスマス」「バレンタイン」「ハロウィン」「母の日」の順に大きく、毎年5月の「母の日」は、本人による「自分へのご褒美」を含め、プレゼント需要が高まる商戦期だ。

ワーママは「母の日」のプレゼントに、カーネーションや洋菓子といった定番ではなく、「夫が自ら率先して家事をやりたくなるような家電」の購入を打診してみよう。要望は伝えるものの、ジャンルや製品選びは、できるだけ相手にまかせるのが成功のコツだ。

筆者の場合、職場で備品として導入したコードレススティック掃除機の軽さと吸引力に驚嘆した夫が、同じもの(マキタの充電式クリーナー「CL107FDSHW」)を買ってきて以来、部屋の掃除は、ほとんどを夫がやるようになり、家事による負担がだいぶ減った。とくにリビングは、ゴミをみつけると、時間を問わず、さっと掃除機をかけるようになった。2台目の掃除機の購入で、毎日の時間配分が大きく変わったのだ。

男性が自ら必要性を感じ、購入後も率先して掃除や手入れをしたくなるような家電が多く登場し、各家庭に普及すれば、自然に男性の家事参加率は高まるはずだ。持ち手などのデザインやメインの機能を変え、女性向け・男性向けの2つのラインを展開してもいいだろう。「男性の家事・育児参画コンセプトポスター」のキャッチコピーの通り、日本が変わるかどうかは、家電メーカーの製品企画や広報戦略にかかっている。(BCN・嵯我野 芙美)

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