断られて「一線」を引かれてしまい…

以前は付き合っていなくてもベッドを共にすることは当たり前だったというふたりですが、このときは「結局、一回も寝ませんでした」とAさんは肩を落とします。

日曜日のお昼、雰囲気のいいイタリアンのお店で美味しい食事を楽しみ、男性の車に戻りながら「ふたりきりになりたいな」と以前のような調子でAさんが誘っても、男性は「無理だろう」と素っ気なく答え、ホテルに行くことはなかったそうです。

「そのあっさりした態度が不満でした」と話すAさんは、「どうせバレないし、大丈夫だよ」としつこく男性に肉体関係を持ちかけたそうです。

そんなAさんに対し、「君は良くても俺は後で慰謝料を請求されるようなことは嫌だから」と男性は断り、むくれるAさんを見て「旦那さんは大変だな、君みたいな人が奥さんで」と皮肉めいたことも口にしたといいます。

それでも男性はAさんからの食事の誘いなどは断ることはなく、昔と変わらず空いた時間を自分に差し出してくれることが愛情の証だとAさんは思っていたそうです。

約束はするくせにホテルに誘えば断ることについて、「どうして私と会うのよ」と詰め寄ると、「そのときはさすがにバツが悪かったのか、下を向きながら会いたいからと小さな声で答えていましたね」とAさんは振り返ります。

一線を引きながら食事に行く以上の親密さを頑なに避ける彼に、Aさんは窮屈さを感じながらも「好き」と言うのを止められず、男性が苦しそうな表情で「俺も」と答える姿を見て、ようやく溜飲を下げるような状態でした。