自分に優しくするための、3つのエクササイズ

2000年代から研究が進むセルフ・コンパッション。

今回はその中から、生活の中で手軽に取り入れられる3つのエクササイズをご紹介します。

セルフ・コンパッション向上におすすめのエクササイズ1. セルフ・コンパッション・ジャーナル

ひとつめは、セルフ・コンパッションの観点から日記を書く方法です。その日あった嫌なこと、自分を責めてしまったことをテーマに書きます。

まずは、その日起こったネガティブな出来事について、なるべく客観的に書き出します。次に「誰もがそのような辛さを経験する」ことを意識しつつ、ネガティブなことが起こった原因を俯瞰して列挙してみましょう。

そして最後に、自分に対して優しく思いやりのあるコメントを書きます。

例:「レストランで店員さんに腹を立ててしまった。料理が遅かったのもあるけど、お店に着くまでの人混みもストレスだったし、冷静に振り返ってみれば、たまたまバイトがひとり休みだったなんてこともあったのかもしれない。しかし、イライラしてしまうことは誰にでもあるから落ち込みすぎなくても大丈夫。またあのお店に行ったときは、笑顔でお礼を言いたい」

セルフ・コンパッション向上におすすめのエクササイズ2. 思いやりトレーニング

「なかなか自分に優しい声かけができない」という人は、まずは他者に思いやりを持つことからスタートしてみましょう。

最初に、自分にとって大切な人を思い浮かべてください。友人や家族、あるいは犬や猫のようなペットでも大丈夫です。

次に、自分が思い浮かべた人がつらい状況にいるのを想像してみてください。そして、自分だったらどんな声掛けをするのか考えてみましょう。紙に書き出してみると、より効果的です。

その後、もし自分が辛い状況にいるときに自分にどんな言葉をかけているか、振り返ってみましょう。友人や家族にかける言葉とは、大きく異なるのではないでしょうか。

なぜ自分自身には、友人や家族と違う接し方をしているのか。そして、もし自分自身にも友人や家族と接するときのような言葉をかけられたなら、状況はどう変わりえるか。想像してみましょう。

それを繰り返す中で、自分にだけ厳しくしてしまう理由がより具体的に見えてくるかもしれません。

セルフ・コンパッション向上におすすめのエクササイズ3. つらいときのおまじない

「自己肯定感が低くてつらい」と感じてしまうときには、セルフ・コンパッションを思い出すための「おまじない」を心のなかで唱えてみるのもおすすめです。

まずは「私は不安になっている」「劣等感を感じている」のように、自分が感じているつらさを言葉にしてみます。

次に、「人は誰しも不安になる」「ときにはネガティブになってしまうのが人間だ」といったように、共通の人間性を思い出してみましょう。

最後に、自分に対する優しさを表現する言葉を探してみましょう。「自分に優しくするために、いま必要な言葉はなんだろう」と考えてみてください。

自分に必要な言葉を自分で知ることは、自分への思いやりを持つ上で大きな手助けをしてくれますよ。

自己肯定感が持てない自分にも、セルフ・コンパッションという優しさを

自分との接し方は、長い時間をかけて固定化されるものです。これまで自分に厳しく接してきた人ほど、すぐには自分に優しくできないかもしれません。

しかし、焦らなくて大丈夫。なかなか変われない自分のことも、優しく受け入れてあげましょう。

少しずつ、自分にも優しい言葉をかけられるようになるはずです。

セルフ・コンパッションについてもっと知りたい人は、ぜひ提唱者のリスティン・ネフ氏の書籍もチェックしてみてくださいね。

同志社大学心理学部卒。金融メディア事業会社にてコンテンツディレクターとして勤務。好きな言葉は「相手のブーツを履いて1マイル歩く」。愛機はFUJIFILM。生活拠点は京都。暖かい日に、鴨川のほとりで弱めのお酒をゆっくり飲むのが好き。