待望の一人暮らし・二人暮らしを始めるにあたり、まずは住みたい街を検討して、想定する家賃に見合った新居を探し、必要な諸手続きを行い、さらに冷蔵庫や洗濯機など、最低限の家電を揃える必要がある。今春は、人手不足のため、引っ越し時期の分散が呼びかけられ、料金と日程の折り合いがつかない「引っ越し難民」が発生したという。もともと高い親元からの独立のための初期費用は、ピーク時の1~2週間を外さないとますます高くなる。 また、一般家庭向け電力・ガス小売自由化を受け、多くの場合、電気・都市ガスも自由に選択できるようになり、「選ぶ」行為を苦に感じるタイプには悩ましい状況になっている。白物家電2~5点をセットにした「新生活家電セット」の利点は、安さだけではなく、選ぶ手間を省ける点にもある。

多すぎる選択肢と高い初期費用 「理想の住まい」はコスト高

スマートフォンやタブレット端末を持ち込んでWi-Fiのあるカフェやショッピングモールのソファーに座って、デスクワークをしたり、インターネットを見たり、動画配信サービスの動画を見たりするなら、1日せいぜい2000円はかからない。一方、新たに住まいを借り、「自分の部屋」で同様にくつろいで過ごせるようにするには、ソファーが1~3万円、Wi-Fiルータ(親機)6000円~1万円、観葉植物2000円など、ある程度の費用がかかる。さらに、大型家具は粗大ゴミ扱いなので、廃棄時に一定の費用がかかってしまう。

「コスパ(コストパフォーマンス)」という評価基準で、経済合理性を考慮しつつ、多様な選択肢から、自分のライフスタイルにあわせたものを選んでいく傾向は、今後、ますます強まるだろう。リユース・リサイクルが前提になると、不要になった場合にタダで手放せないモノ・維持費がかかるモノは、安易に買ってはいけないモノになる。代表例は、次の買い手が見つからない戸建て住宅や別荘などだ。

このところ、一部の家電量販店は、家具やファブリックといったホーム用品や、日用品・化粧品に力を入れている。触った感触や見た目の質感、においなど、リアル店舗でなければ確かめられない要素は多い。強みを持てる分野といえるが、使えばなくなり、買い替えに結びつく日用品・化粧品はともかく、大型家具は耐用年数が長く、家電以上にリピート需要を生みにくい面がある。家電量販店の家具やファブリックへの進出は、困難を伴う選択と感じられるのだが。(BCN・嵯峨野 芙美)

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