違和感を覚えた「元彼」の態度

「元彼はそのとき彼女がいなくて、だから私とも気軽に話せていたと思うのですが、私が『彼氏と別れちゃって』と言ったら驚いたように理由を聞いてくれました。

正直に全部を伝えたら『それはショックだね』と言ってくれて、ほっとしましたね」

里佳子さんが「全部」と言うのは「自分も惰性で付き合っていたこと」で、彼氏の変化に気が付きながらも何もしなかった自分についても、隠さず話したといいます。

それを「そうか」と相づちを打って聞きながら、元彼は「すれ違いだよね、お互いさまだよ」と慰めてくれたそうです。

優しい言葉をかけてくれる元彼に、里佳子さんは「この人なら私のいいところを認めてくれる」と甘えたくなり、

「あなたと付き合っているときは、お互いにおかしなことがあったらすぐ言えてたよね」

と軽い調子で口にします。

すると、元彼はしばらく黙ったのちに

「そうだけど、あのときはね」

と短く返します。

「やっぱり相性ってあるよね、ちゃんと言えなかったのは合わないってことなのかも」

と里佳子さんが続けて言うと、

「相性はあると俺も思うけど、次はいい人と出会えるよ」

と、やっぱり言葉少なに答えたそうです。

「何だか慎重になっているというか、言いづらそうにしていることはすぐに気が付きました。

でも、適当なことを言わないように気遣ってくれているのかもとそのときは思ってしまって」

里佳子さんは、違和感を覚える元彼の様子を特に問いただすこともなく、そのときは一時間ほど話して終わりました。