一連の所作が流れるように美しく、的のど真ん中をズバンと射抜く先生に思わず拍手喝采。っていうか、こんなの本当にできるようになるの……? しかもまだ馬にも乗ってないよ……?

「左手に載せるように矢をつがえて、つるに引っ掛けたら今度は右手の親指、人差し指、中指でつかむようにして引っ張ります」

丁寧に説明してくださるのですが、いかんせん物覚えが悪いので途中で何度もやり直しながら、やっとのことでスタンバイ。

思い切りつるを引っ張って……ハァッ!

満を持して放った……はずが、なぜかぜんぜん飛ばない矢。ええー! 何これ、なんで飛ばないの!?

『ホース・ソルジャー』だったらこの時点で「国へ帰れ」とクビになりそうですが、幸いここはサドルバック牧場。先生が優しく何がいけないのかを教えてくれます。

丁寧なアドバイスにより、やっと何とか的に命中させられるようになってきました。

いやー楽しかった! さあ帰ろう……と一瞬思ったのですが、違う、そうじゃなかった。今日の目標は馬に乗って走りながら矢を射る流鏑馬を成功させて、『ホース・ソルジャー』の面々がどれくらいすごいのかを体験すること。まだこれはほんのイントロダクションにすぎません。

続いては「歩きながら討つ」練習へ。

だんだん慣れてきたのか、マグレで的を射抜くことに成功し、ちょっと調子に乗ってきました。

「それじゃあ、そろそろ乗ってみましょうか」

先生の声で我に返ります。そうだ……馬に乗らないといけないんだった。

何しろ、馬は自分とは違う生き物なので、ちゃんと心を通じ合わせられるのかがわからない。弓よりもむしろこっちの方が10倍くらい心配です。

いよいよ流鏑馬へ! 果たして成功するのか!?

本日、乗らせていただく馬はハチベエくん。馬というとサラブレッドみたいなのを想像しますが、ハチベエくんはもっと脚が太くてがっしりしており、体高は低めなので安心感があります。

とはいえ、初めてなのでどうすればいいかよくわからない……。

とりあえず石を台にして乗ることになりましたが、映画ではもっと颯爽とまたがっていたような気がします。

乗ってみると……おお、怖くない!