自分を大きく見せようとしても失敗してしまうだけ?

続いては「カエルとウシ」です。物語のあらすじを説明すると、川に水を飲みに来たウシを子カエルが見つけて大慌て。あまりのウシの大きさにビックリしたことを母カエルに話すと、母カエルはそのウシのことを詳しく知りたいと「こんな大きさだったかい?」と言うなり、自分のお腹をプクッと膨らませました。

ところが「もっと大きかったよ」と子カエルが答えると、母カエルはさらに膨れて「これくらいかい?」と聞きました。「もっともっと大きかったよ」「じゃあ、これくらいかい?」と繰り返しているうちに、母カエルのお腹はとうとう破裂してしまいました。

誰しも「人に良く思われたい」という気持ちがあります。心理学でもこれは人間の本能として、ごく当たり前に備えられているものといいます。とはいえ、その気持ちが行き過ぎるあまり、見栄やウソまでついてしまうのはさすがに考えもの。

好きな人の前で仕事の話を盛ってしまったり、なるべく相手に気に入られるために知ったかぶりをするのは、結局自分で自分の首を締めることになりかねません。母カエルのお腹のようにならないよう、心当たりのある男女は「等身大の自分を出していくことが自分の魅力を一番引き立てる」と考えてみてはいかがでしょうか。

 

自分の行動の取り方次第で相手の態度も変わるかもしれない?

最後は「キツネとツル」のお話です。すでにご存知の人も多いかもしれませんが、ある森に住んでいたキツネとツルが主人公です。お互いにどんなものを食べているのか興味をもったふたりは、相手を食事に招待することにしました。最初に招待をしたのはキツネです。

キツネは自分がいつも使っている平らなお皿にスープを載せて出したため、くちばしが長いツルはまったく料理を味わうことができませんでした。別の日、今度はツルがキツネを食事に招待しました。ツルは長くて細いツボにスープを入れて出したため、キツネはツボに顔が入らず、まったく料理を味わえませんでした。

このキツネとツルはどちらも似た者同士です。職場でも人間関係でも「この人、なんだか苦手だな」と思えば、それが相手にもなんとなしに伝わるもの。類は友を呼ぶといいますが、小さなことでいがみ合っているキツネとツルの話は、同じタイプの人間を自分で引き付けているともいえます。

つまり周囲の人間関係は、自分によってもたらされているといっても決して大袈裟ではないのかも。友人があなたに親切にしてくれるのも、元をたどればあなたが友人と仲良くなりたいと思った瞬間が必ずあったはずです。もし毛嫌いしている人がいるなら、まずは自分の態度を見直すことで相手との関係も少しずつ変わっていくかもしれません。