恋人や夫婦のあいだで、あるいは小さな子供や赤ちゃんに、キスはとても身近な愛情表現の方法ですね。好きな相手とキスをすることで、様々な脳内物質が分泌されて、幸せな気分になるといわれています。

ですがその一方で、キスでうつってしまう病気もあるということをご存知でしたか?
唇や口の中の粘膜は、外界と触れ合い細菌やウイルスが入ってくる場所であると同時に、それらの温床でもあるのです!
 

風邪だけじゃない! キスでうつるさまざまな病気

キスでうつる病気には、意外なほどたくさんの種類があります。キスの仕方にもよりますが、唾液によって感染する病気はすべてうつる可能性があります。代表的なものとしては、以下のような病気が挙げられます。

1)風邪
同じ空間にいるだけでも空気を介してうつる可能性があるので、キスをすれば尚更です。口内にいるウイルスが唾液を介して感染してしまいます。

2)歯周病・虫歯
どちらもキスで感染することがあります。特にお母さんから、小さな子供さんに口移しで食べ物を与える場合や、体調不良などで免疫が落ちている場合には、注意が必要です。
大切な人に歯周病菌や虫歯をうつしてしまわないよう、日ごろから口の中は清潔にしておきましょうね。

3)口内炎(ヘルペスウイルスによるもの)
ウイルス以外の原因で出来た口内炎は、キスで感染することはありませんが、ヘルペスウイルスによる口内炎はうつることがあります。感染した場合は、3~7日後に症状が出ることが多く、病気の形状としては口唇ヘルペスやヘルペス性歯肉口内炎が挙げられます。
症状が出ていないときはウイルスは神経細胞に潜伏していますが、唾液などにウイルスを排出していることがあり、気づかずに相手に感染させている可能性もあります。

ちなみに、人に感染するヘルペスウイルスには大きく分けて8種類あり、口唇ヘルペスやヘルペス性歯肉口内炎を起こすのはヘルペスウイルス1型、性器ヘルペスを起こすのは2型、水ぼうそうや帯状疱疹の原因となるのはヘルペスウイルスの一種類である水痘・帯状疱疹ウイルスと、それぞれ別のウイルスです。

4)伝染性単核球症(EBウイルス感染症)
この病気は、キスによって感染する病気として有名で、英語では「キス病」とも呼ばれているものです。ヘルペスウイルスの一つであるエプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)の感染によるもので、無症状のことも多いですが、症状が出る場合はのどの痛み、発熱、リンパ節の腫脹や、だるさ、肝機能異常が出ることがあります。
極めてありふれたウイルス感染症で、日本では20代で90%以上が抗体を持っている(過去に感染したことがある)といわれています。

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