まだ小さな子どもを持つママが働く場合、時短勤務の選択もあります。でも、職場復帰して時短勤務するとなると給与の面が気になりますよね。

そこで今回は、時短勤務の給与はどのくらいになるのか、また給与をできるだけ下げないためのアイデアを、キャリア支援事業を展開する株式会社エスキャリア取締役社長の岡本真梨子さんに教えていただきました。

時短勤務は時給で算出が基本!手当は各社異なる

時短勤務では、どのような給与計算になることが多いのでしょうか? 岡本さんは次のように話します。

岡本真梨子さん(以下、岡本)「基本給を勤務時間で按分(あんぶん)するというのが基本の考え方です。つまり、短縮した勤務時間分の給与が基本給から差し引かれます。この給与は時給で割り返して算出するのが一般的です。

基本給に加えて各種手当が支給されている場合、その手当については、時短分カットされる、100%支給される、まったくなくなるの3通り。手当の性質や内容、会社の就業規則での取り決めによって異なりますので、各社どうなっているか調べる必要があります。

弊社にご相談に来られる女性からは、時短で基本給が差し引かれ、諸手当がすべてなくなり、残業もしなくなったことで、産休前の給与の半分以下になってしまったという話を聞くこともありました」

何時間時短することが多い?

給与が手当てなしで半分になってしまうというのはなかなか厳しいところがあるかもしれません。一般的に、ママが利用する時短勤務は何時間が多いのでしょうか。

岡本「1~2時間の時間短縮をする方が多いようです。企業によって定められた始業・終業時間は異なりますので、一例にはなりますが、通常の勤務時間が9~18時(所定労働時間8時間)の場合、16時、17時に退勤するということですね。遠距離通勤やお子さんが0歳で預かり時間が短いなどの場合、15時で退勤という方もいます」

時短勤務で給与をできるだけ下げないコツ

時短勤務でも、できるだけ給与は下げたくないというのが働くママのホンネ。できるだけ給与を下げないで働くコツはあるのでしょうか?

岡本「残念ながら、コツというものはありません。正社員・契約社員などは会社と、勤務時間や報酬金額を『雇用契約』で結んでいます。雇用契約で勤務時間の定めがある場合は、それより実働が短くなる場合その分、給与カット、というのが当然だからです。

例外として、始業・終業時刻を社員が自由に決められる『フレックスタイム制』であれば、始業時間を早め、その分、終業時間も前倒しにするというように、時短勤務を取らずに『早く帰る』を実現することも可能です。

また、裁量労働制など、みなし労働時間制を定めている職種・会社であれば、そもそも所定労働時間働いていると“みなす”ため、実際の勤務時間が短くても生産性高く仕事をしてその分『早く帰る』、そして給与は同じ、という働き方も可能です」

岡本さんによると、よほど収入ダウンを避けたい場合、次の方法を取るのがいいのだそうです。

岡本「そもそも時短をとらない、時短を取らなくても給与が下がらない働き方へと変更する、転職する、副業・起業する、など他の選択肢を考えていくことになります」