時短勤務で給与が下がった!どう補填する?

とはいえ、時短勤務で給与が一時的に下がるのはやむを得ないという場合もあるでしょう。その場合、減った給与の補填方法についてアドバイスいただきました。

岡本「まずはご自身の状況を確認し、『1.働ける時間そのものが短い』のか、あるいは『2.現職の定めた制度や環境で働ける時間が短い』のかを整理してみてください。

『1.働ける時間そのものが短い』の場合は、ご自分の勤務時間を増やすことはそもそもできませんので、同じ時間内でより多くの収入を得られる仕事を探すのが現実的でしょう。はじめから時短勤務OK、という求人は全体的に見るとまだまだ少ないですが、時短ママ向け・主婦向けの求人を扱うエージェントも増えてきていますので、まずは相談に行ってみてください。

『2.現職の定めた制度や環境で働ける時間が短い』場合はどうでしょうか。これは、例えば『会社が近ければ時短を取らずに済むが、通勤時間が長いのでその分時短を取らざるを得ない』『フレックスタイム制であれば勤務時間をずらすことで時短を取らずに済むが、現職では不可能』などのケースです。

この場合、対策として2つ考えられます。一つは転職し、時短を取らずに済む環境、例えば家の近くなどに移る。二つ目は、職場の近くに移り住み、時短を解除する、など。どちらも私の周辺やこれまでご支援してきた女性で、多くみられるケースです」

働くママの年収アップ成功事例

エスキャリアで実際に転職を支援した人の中には、時短勤務で給与カットになったものの、別の方法で年収アップした成功事例もあるそうです。ぜひ参考にしてみましょう。

岡本「時短勤務で給与カットとなったご相談者で、事業場外みなし労働時間制の職種である法人営業職に転職され、時短を取らずに実際の勤務時間は短縮し、かつ年収アップにも成功したというケースがあります。

この方の場合、職場が遠かったため、通勤時間の長さや満員電車のストレス、また時短勤務による肩身の狭さや、時間の融通の利かなさなどにお悩みがあり、給与以外の面においても転職のメリットが高かったので、行動に踏み切られました」

副業や週末起業の検討も

「会社に勤める」ということにとらわれず働くという選択肢もあります。

岡本「今よりもう少し時間が捻出できそうな方は、『私の何が売り物になる(お金を稼げる)だろうか』ということもぜひ考えてみてください。

お子さんが寝た後や休日なら時間がある、という場合は、その時間を有効に活用し、副業や週末起業なども検討してはいかがでしょうか。今はクラウドソーシングサービスや、趣味のハンドメイド作品や書いた文章を売るサイトなど、時間ではなく『スキル』を売る、ということが手軽にできるようになっています。

月にいくらの補填が必要なのかにもよりますが、自分の好きなこと・得意なこと誰かに提供して喜ばれ、それがお金になる、という可能性も実はたくさんあるのです。忙しい中でも、そういった情報、ツール、手段に目を光らせて、ぜひ見つけてみてください」

時短勤務になれば給与が下がることはまぬがれませんが、「子育て中の働くママ」=「収入が下がる」というわけではないようです。さまざまな働き方がある中で、いかにその手段を知っているかがポイントになりそうです。副業・起業を含めて広くとらえて考えてみてくださいね。

【取材協力】岡本真梨子さんプロフィール
株式会社エスキャリア 取締役社長
自身の長時間労働や、時短勤務・マミートラックの経験から、誰もが柔軟に能力発揮できる働き方の必要性を感じ、2013年よりエスキャリアに参画。法人に対する人事業務支援(採用・教育)と、女性に対するキャリア支援(両立支援、転職・起業相談)の両輪を推進している。

ライター。美容、健康、グルメなど、今ドキ女性が気になる情報をお届けしています。素朴な疑問を調査したり、専門家に聞いたりして、分かりやすく読者に伝えるのがモットー。