横浜・野毛山動物園のカメは「密輸」されたカメって本当?

「野毛山動物園」で展示しているカメは、何と半数以上が密輸保護個体だとか。動物園に来ることになった経緯はどのようなものなのか、横浜のマニアックな情報をお届けしている「はまれぽ」が調査しました。

<横浜のココがキニナル!>
野毛山動物園で展示しているカメは、何と半数以上が密輸保護個体だとか。野毛山動物園に来ることになった経緯が知りたいです・・・。(ねこぼくさんのキニナル)

※本記事は2015年2月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

 

1951(昭和26)年開園の老舗動物園として知られる野毛山動物園。
規模は大きくないが、入園無料ということもあってズーラシアにも負けない入場者数を誇る動物園である。

そんな野毛山動物園の人気スポットのひとつが、2014(平成26)年8月にリニューアルオープンした爬虫類館だ。

 

まだまだ真新しさを感じさせる爬虫類館

40種類の爬虫類を飼育・展示するこの施設で暮らすカメたちの多くが、違法取引の被害者らしい、というのが今回のキニナル。
実際のところはどうなのか。また、本当だとしたら、どんないきさつで野毛山動物園にカメたちが集まるのだろうか。

 

希少種だらけの爬虫類館!?

今回、話を聞いたのは爬虫類を担当している桐生大輔さん。担当歴12年に加え、自身でもカメを飼育しているというベテラン飼育員さんだ。

 

子どものころから爬虫類が好きだったという桐生さん

さっそく、野毛山動物園で保護個体のカメを飼育しているのかと質問をぶつけてみると「はい、それは事実です」との回答。

桐生さんによると「爬虫類は全部で160頭ほどいて、カメは110頭くらいです。そのうち約55頭が違法に持ち込まれて、保護された個体です」ということだから、キニナルにある通り、カメの半数が密輸保護個体ということになる。

違法に持ち込まれるということは、被害に遭うカメは取引が制限されている希少種ということだ。
例えば、国内では野毛山動物園にしかいないヘサキリクガメ。
マダガスカル島のごく一部にのみ生息するこのカメは、自然破壊や外来動物の脅威にさらされ絶滅の危機に瀕している。

 

首の下の喉甲板(こうこうばん)が舳先のようになっているのが名前の由来

1986(昭和61)年から現地に保護繁殖場が設けられて少しずつ数を増やしていたが、1996(平成8)年、その繁殖場に心ないカメ泥棒が入り込み76頭が盗まれてしまうという大事件が起こった。
その際、日本にも密輸があったようで、警察によって摘発された個体が現在は野毛山動物園で飼育されているというわけだ。

ほかにも、ホウシャガメやバタグールガメ、インドセタカガメにハミルトンガメなど、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約の附属書I(I~IIIまであり、Iが最も制限が強い)に掲載されるカメたちが多く飼育されている。

 

おやつ中のホウシャガメ。マダガスカル島の南西部が本来の生息地
水槽で泳ぐバタグールガメは、インド東部などに生息している

動物園の場合、それらの種を合法的に迎え入れられる可能性もある。しかし、野毛山動物園で飼われているこれらのカメたちは、すべて人間のエゴで生息地から違法に連れてこられた個体だそうだ。

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