左から「DVDFab5 BD&DVD コピープレミアム」「DVDFab5 BD&DVD コピー」「DVDFab5 DVD コピー」

DVDやブルーレイディスク(BD)に保存した動画を別のDVDやBDにコピーするコピー・バックアップソフト。ホームビデオを親戚や知人に配布するためにコピーしたり、複数のディスクに保存した動画を1枚のディスクにまとめたりする際に活躍する。このコピー・バックアップソフト市場で高いシェアを獲得しているのがジャングルの「DVDFab」シリーズだ。最新版の「DVDFab5」が4月17日に発売された。

メーカーシェア推移を見てみよう。ちょうど3年前の2012年3月からコピー・バックアップソフトのメーカー別販売本数シェアを見ると、「DVDFab」シリーズを販売するジャングルが実に37か月間、ずっと1位をキープし続けている。

●UIはそのままに新機能が盛りだくさん

家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で、過去のコピー・バックアップソフトの売れ筋をチェックした。年間タイトル別ランキングでは、2014年はジャングルの「DVDFab4 DVD コピー」、2013年は「DVDFab3 BD&DVD コピー」、2011年は「DVDFab BD&DVD」が1位だった。2012年はソースネクストの「B's Recorder 11」が1位で、「DVDFab2 BD&DVD コピープレミアム」は2位だったが、「DVDFab」シリーズは常にコピー・バックアップソフト市場を牽引していることがわかる。

この「DVDFab」シリーズの最新版が「DVDFab5」だ。最も大きな進化点が4Kへの対応だ。最近では、4K画質で撮影できるデジタルビデオカメラや機器が登場している。なかには4K画質で撮影できるスマートフォンもあるほどだ。一度しか撮影できない思い出のシーンは、できるだけ高画質で撮りたいもの。4K対応機器を持っているなら、当然、4K画質で撮影するだろう。

ところが、4K映像は再生できる環境が限られているほか、ファイルサイズが大きくて保存をするにしても容量を食ってしまう。思い出として残すなら4K画質のまま残すが、人に渡すときは誰でも再生できるフォーマットや扱いやすいファイルサイズに変更しなくてはならない。「DVDFab 5」は、4K画質の動画ファイルを読み込んで、フルHDやHD画質、さらにDVD画質へと手軽に変換することができる。

動画変換の手順は非常に簡単だ。変換したい元の動画ファイルを変換ウインドにドラッグ&ドロップして、出力サイズなどを設定するだけ。さらに高速変換技術「DVDFab Lightning-Shrink」を採用し、リッピングやフォーマット変換にかかる時間を大幅に短縮することができる。

試しに、約4分間のフルHD動画を「DVDFab 5」と、前モデルの「DVDFab 4」でYouTubeなどに適した720×404ドットに変換してみた。変換にかかった時間は、「DVDFab 4」が56秒だったのに対して、「DVDFab 5」では49秒に高速化している。

「DVDFab 4」にも「DVDFab Lightning-Shrink」を搭載しているので、差は小さく感じるかもしれないが、1時間、2時間の長時間動画になるとその差はさらに大きくなる。手軽にサッと変換できるのがうれしい。

●ウェブ動画のダウンロード機能を搭載

「DVDFab 5」の新機能として注目したいのが、ダウンロード機能だ。これはYouTubeやニコニコ動画といった動画配信サービスに対応した機能で、見たい動画を好きなファイル形式でダウンロードできるというもの。ダウンロードした動画ファイルを「DVDFab 5」のディスク作成機能を利用して、ディスクに保存しておくといった使い方ができる。

「DVDFab 5」の初回起動時はダウンロード機能がインストールされていないので、「変換」メニューから、「ダウンロード」ボタンをクリックして、プログラムをインストールする。あとは、動画サービスを選んで、アプリ内のブラウザで検索機能などを利用して、入手したい動画ファイルにアクセスするだけだ。

画面上に表示される「ダウンロード」ボタンをクリックするとファイルサイズや形式が選べるので、適した形式を選ぶだけ。すると指定したフォルダにダウンロードできるという仕組みだ。好きな動画もダウンロードしておくことで、オフラインで見られるようになる。ただし、動画のダウンロード時は著作権への配慮も忘れずに。

●ディスクコピーやひとまとめにする機能がさらに強化

「DVDFab」シリーズといえば、1枚しかないディスクの複製を簡単につくったり、リッピングしてHDDに保存したりといったことができるソフトだ。「DVDFab 5」では大容量のBDを利用することで、複数のBDやDVDを1枚にまとめることができる。なお、市販のDVD/BDやCPRMがかかったディスクはコピーしたり、リッピングしたりといったことはできない。

プライベートの写真や動画などを記録したディスクでも活用する機会は多い。例えば、DVD-Rなどに記録したデータも、10年ほど経つと再生できなくなってしまうことがある。そのため、再生できなくなる前にバックアップしたり、複製をつくったりする必要があるのだ。「DVDFab 5」であれば、5枚のDVDを1枚のBDにまとめることができる。

また、DVD-VR形式で記録したディスクをDVD-Video形式に変換したり、ビデオカメラで撮影した映像を、より多くのプレイヤーで再生できる市販のBDと同じBDMV形式で記録したりする機能も用意する。

「DVDFab 5」はディスク作成時やコピー時の手間を大きく省き、さらにウェブ動画のダウンロードなど、魅力的な機能も搭載している。記録してから、かなりの時間が経ったDVDを多数所有している場合やお気に入りのネット動画を自分専用のディスクに保存しておきたい、といった場面で活用できるはずだ。(デジタル家電ライター/コヤマタカヒロ)

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