「カロリー控えめ」「低脂肪タイプ」などと表示された食品には、なんとなく“ヘルシー”なイメージがあります。同じ種類のものなら、ほとんど条件反射的に「低カロリー・低脂肪タイプを選ぶ」という方もいるでしょう。
けれどもそれ、本当に“ヘルシー”といえるのでしょうか?
今より体重を減らしたい方、健康を維持したい方におすすめの、本当に“ヘルシー”な食生活についてまとめてみました。
カロリー・脂肪を減らしても、ダイエットは成功しません
「ヘルシーな食事=カロリーや脂肪の少ない食事」、という考え方が広く浸透しています。
「肉など動物性脂肪の摂取が多くなったせいで肥満が増え、病気が増えた」とはよく言われることであり、推奨されているのが、「肉など脂肪の多いもの」を避けた「食物繊維の多い野菜や穀物」たっぷりの食事です。
しかし、野菜や穀物中心の、カロリーや脂肪を減らすだけの食事を続けても「ダイエットは成功しない」ばかりか、「体調不良や病気の原因になる」といった指摘も多くあります。食べてもイマイチ満足感がないため、結局間食が多くなってしまったり、本当に必要な栄養を摂りきれず、栄養が偏ったりする恐れがあるのです。
「なんとなく体がだるい」は勘違いダイエットのせい!?
人間が必ず食べなければならない、いわゆる「必須栄養素」をご存知でしょうか?
「炭水化物」は三大栄養素ですが、必須ではありません。
身体に必須の栄養素は「タンパク質(必須アミノ酸)」と「脂質(必須脂肪酸)」です。これらは体内で作り出すことができないため、日々、食べ物から摂り続ける必要があります。
「タンパク質」は、からだの原材料になります。筋肉や骨、皮膚、血液、内臓など、まさに体そのものになり、また神経伝達物質やホルモン、酵素などにもなるため、誰にとっても最も重要です。
「脂質」は、細胞膜や血液、エネルギー源にもなります。脳がスムーズに働くためにも欠かせません。また、体温調節や皮膚の保護機能もあるほか、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を高める働きも。(そのため“質のよい”脂質をとることがポイントです)
穀物や野菜中心の食事は、たしかにカロリーも脂肪も少ないのですが、食物繊維は多くても、タンパク質や脂質を十分に摂ることができません。“からだのもと”が、日々不足してしまうことになります。
それは、壊れかけた車体にせっせと「ハイオクガソリン」や「エンジンオイル」を注ぎ込み、無理やり動かそうとするようなもの。ダイエットうんぬんの前に、深刻な栄養不足を招いてしまいます。脳にも悪く、骨や筋肉が衰えて、骨粗しょう症のリスクにもつながります。
「なんとなく体がだるい」「力が出ない」「体が冷える」「いつも鬱な気分」「妙にイライラする」…そんな症状がある方は、もしかすると、タンパク質や脂質が足りていない可能性があります。