加藤浩次 撮影:熊谷仁男

昨年行われた舞台『イルネス共和国』。加藤浩次(極楽とんぼ)、六角精児、矢作兼(おぎやはぎ)、マンボウやしろ、秋山竜次(ロバート)、吉村崇(平成ノブシコブシ)の6人が、架空の国を舞台にコントを繰り広げ、チケットは即完売のプレミアライブだった。その6人の舞台が『イルネス製作所~今世紀最大の発明~』として、今年も行われる。

そこで脚本・演出も手掛ける加藤浩次に、久しぶりに「舞台」という観客の前で生身の自分をさらけ出すことになったきっかけや、バラエティ番組について感じていることなどを聞いてみた。

「かさぶたが取れた」ことが舞台につながった

――加藤さんは、今はテレビがメインで舞台は去年の『イルネス共和国』が久しぶりでしたが、また舞台に立とうと思ったきっかけは何ですか?

加藤浩次(以下「加藤」):2年半ぐらい前に、放送作家に「加藤さん、舞台はやらないんですか?」って言われたんです。そもそも舞台は、相方の山本(圭一)が戻ってきたらやるもの、とずっと思い込んでたんですが、ちょうどその時は「舞台をやるのも悪いことじゃない」と思えて。

なんていうか…「かさぶたが取れた」みたいな感じで少し考え方が変わって、山本が戻ってきたら戻ってきたときに改めてやればいいんだと思えたんですよね。

――それはケンドーコバヤシさん、ブラックマヨネーズの小杉さんと一緒にTBSラジオの『Wanted!!』をやり始めたころですか?

加藤:あー、確かにそうですねー。あの時も、一緒にやりたい人というので、コバヤシと小杉という名前がすぐに浮かんで。実は舞台の6人もあまり考え込まずに決まったんです。

――メンバーはどうやって決めるんですか?

加藤:常に一緒にいる人じゃなくて、テレビなどで見ていて一緒に仕事したいと思った人を挙げていく感じです。

「イルネス」のメンバーを決めた理由を説明するなら、矢作はまず付き合いが長いし、感覚的に僕の考えを分かってくれると思いました。あと「浩次くん、こういうのはどう?」と先輩後輩の垣根を越えてアイデアを出してくれる。

六角さんはある番組でゲストに出てもらった時、生き様が面白いと思ったんですよね。自分を美化することもなく、正直に話してくれて、それでいつか一緒に仕事をしたいなあと思ってて。

秋山は素を見せずにキャラに入りこむタイプで、そういうところは山本と似てますね。
吉村は元気がいい(笑)。このメンバーの中にムードメーカーが必要だと思って入ってもらいました。

やしろは、みんな忙しいから1人ヒマな奴が必要だと思って(笑)。でも今年に入って忙しくなっちゃってねー。