中高生たちは鋭意努力中です

中高生になった子どもたちには、スマホ経由で人依存、つながり依存になりやすい傾向が出てくる。

ゲーム依存なら、オンラインゲームで会う仲間たちとの絡みの中にリアル以上の居心地の良さを覚える。SNS依存なら、ひんぱんにメッセージを確認することで、その場にいない友達ともつながっている感覚を得て安堵する。

傍からは押し黙ってひたすら画面に向かっているだけにしか見えなくても、他人との交流を楽しんでいる。それは、リアルのつながりだけでは心の隙間が埋められていないことを表してもいるのだが。

自宅と学校の2地点を、振り子のように行ったり来たりすることが義務づけられている彼らだが、その中でも何とか人間関係を築き、仲間外れにされないよう彼らなりに鋭意努力している。

正直、そのやり方には拙さや危うさが感じられる。だが、人の努力を完全に否定してしまっては救われない。

やめろと言うだけではなく、こちらも気持ちを理解しようという努力をしてはどうだろう。そこまでしてハマる理由があるはずだと、子どもに寄り添った考え方をしてみよう。

少なくとも、子どもが人とのつながりにおいて「鋭意努力中」だということだけには、ゆるやかな理解を示してもいいのではないか。

“親の怒り回避”の行動こそが危険

思春期、反抗期を迎えた彼らに激怒するのは、ますますもってオススメできない。思わぬ行動力を発揮するのがこの世代。

怒られるのがうっとうしければ、家族が寝静まった頃をねらって、暗がりでスマホやパソコンに向かう。自宅で怒られるのなら、学校をサボってネットカフェに通う。そのための軍資金を親の財布から抜き取ったりも!? もちろん、そこまでやる子どもばかりではないが……

「怒られるのがイヤだ」というきっかけで抜け穴を探し始めた子どもの行動は、年齢が上がるにつれデンジャラス度をより増していく。

心配しているから怒るのだということが、子どもには本当に伝わりにくいということがお分かりいただけただろうか。
怒りはとことん裏目に出るようだ。

自分でコントロールできるように

心配は尽きないと思うけれど、モラトリアム(社会的責任が猶予されている青年期)に入ったら、ママが怒っているという理由で行動を決めさせるのはそろそろ終わりにしたい。

基本、徐々に自分のことは自分でコントロールできるようになってもらおう。それまでの期間を長い目で見てサポートするというのが、子育てのスタンスになる。

スマホ依存に関しても、できるだけ本人が脱依存を考えるなり、デジタルデトックスがかっこいいという価値観を育むなりするのが望ましい。
ママはその協力を惜しまないという姿勢が理想だ。(それが難しいのだが……)

自覚なき依存というケースもあるから、「スマホ依存、ネット依存というものがある。ママはあなたもそうじゃないかと心配している」という情報は、子どもの耳に入れておくといいだろう。

すんなり認める子ばかりではないから簡単には行かないかもしれないが、子どもが自分のイタさを認識できるかは重要。自覚を促すまでがママの役目。
自覚があると、それがネットからちょっとずつ距離を置くきっかけになる。