欧米では、家族との時間を大切にするという文化が根付いています。そのため父親も子育てに参加しますし、しつけに関してママ任せということはあまりありません。

筆者が知る外国人達も、子どもの頃父親によく怒られたと言っていました。

一方、日本のパパ達は、しつけや叱り役はママ任せが多いですね。接する時間が短いからと、デレデレと甘やかしすぎている、なんてことはありませんか?

そのくせ、「父親としての威厳は保ちたい」なんて思っていたりして(笑)

さてさて、家族と接する時間が短いのはパパの責任とばかりは言えないものの、果たして甘いだけのパパで威厳が保てるものでしょうか?

今日は『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴が、お父さんのしつけと威厳について考えてみたいと思います。 

日本のパパはなぜしつけをしないのか

日本は主に農業で生計を立ててきた国、いわゆる農耕文化で、私達の考え方や習慣は、ここから発生していると考えていいでしょう。

農業は当然ながら肉体労働ですから、体力のある男の仕事となったわけです。しかも狩猟のように一瞬の勝負というわけにはいかず、毎日毎日朝から晩まで、雑草や害虫や動物から作物を守らなければなりません。

必然的に外で働くのは男の仕事、家事や子育ては女の仕事というようになったのです。別に差別意識があってそうなったわけではなく、自然の流れですね。

ところが、科学技術の発達やネット社会になって、仕事そのものに体力がそれほど必要とされなくなった現代、男と女の役割分担の境があいまいになってきているのです。

そんな文化の過渡期にいる今のパパ達は、育児に参加しようにも自身の立ち位置がわからず右往左往している、ちょっとかわいそうな存在。
しつけをしたくても、どうすればいいか、どこまで口出しをしていいかわからないというのが本音かもしれません。