子どもを病院に連れて行く際、保険証や医療証、母子手帳は必ず持って行くけれど、薬局でもらった“お薬手帳”はついつい忘れてしまう…というママは少なくないのでは?

あるいは、「一応持って行くけれど、お薬手帳ってなんのためにあるのかいまいちよく分からない…」というママもいらっしゃるかもしれません。

お薬手帳は、医療機関から処方された『薬の履歴』を管理する手帳です。内科、耳鼻咽喉科、歯科…いろんな診療科でもらう薬を一元管理できます。

病気やケガで病院に行くことが多い子育て中のママとパパには、必須のアイテムです。

また、お薬手帳には、便利な機能もいろいろあります。

薬剤師の水八寿裕さんに、お薬手帳の機能、そしてお薬手帳の活用法についてお話を伺いましたのでご紹介します。

お薬手帳の便利機能3つ

まずは、お薬手帳の便利機能を3つ教えていただきました。

1. あぶない『飲み合わせ』や『副作用』などのトラブルを回避できる

薬は、飲み合わせや副作用などがあります。

ドクターは「この症状にはこの薬」「この病気にはこの薬」ということは分かりますが、飲み合わせや、自分の診療科目以外の薬について、詳しいことまでは把握していません。

また、お薬手帳の細部のチェックまでは、なかなか手が回りません。

そういった薬にまつわる情報を詳しく分かり、チェックできるのは、薬剤師だけです。

お薬手帳は、薬剤師が『薬の名前』『用法・用量』『薬を渡した日』『処方医療機関』『処方医師名』など、薬にまつわる大切な情報を記載しています。

過去にどんな薬を服用していたのか?
今、どんな薬を服用しているのか?

が分かると、さまざまなトラブルを回避することができます。

急病でかかりつけ以外の病院や薬局に行った際にも、服用中の薬の情報を正確に知らせることができます。

2. すばやく薬を入手できる

子どもの世話に、家事に…と忙しく、一刻も早く病気の子どもを休ませてあげる必要のあるママとしては、早く薬を受け取って帰りたいと願うものでしょう。

お薬手帳の情報をはじめとして、過去の薬などの記録があると、薬剤師からの質問が少なくなる分、お薬を受け取るまでの時間が短縮されます。すばやく薬を受け取ることができるというわけです。

3. 薬の“もらいすぎ”を防げる

子どもはよく病気やケガをします。

その都度、病院に行って薬をもらって、気づけば飲みきれなかった薬や使いきれなかった薬で、家の薬箱がいっぱい…なんてこともあるかと思います。

また、複数の診療科を受診している場合、薬を重複してもらっていることも多々あります。

お薬手帳があると、いつ・どこ(どの病院)で薬が処方されたかが分かるので、薬のもらいすぎを防ぐことができます。

コレだけはやっておきたい!ママ&パパのためのお薬手帳活用法3つ

お薬手帳は、積極的に活用することで、より便利になります。そして、いざというときの強い味方になってくれることも。

ママ&パパがやっておきたい、お薬手帳の活用法について伺いました。

1. 『生年月日』『アレルギーの有無』『体重』『受診理由』を記載しよう

薬局に行く際は、お薬手帳に、お子さんの『生年月日』『アレルギーの有無』、そして『今の体重』『受診理由』を記入しておくと、気の利いた薬剤師だと質問を最適化・短縮化してくれるので、よりすばやく薬を受け取ることができます。

生年月日やアレルギーの有無は、お薬手帳の最初か最終ページに書き込む欄がありますので、書いておきましょう。

体重は、薬の用量調節に必要になります。病院ですでに伝えていると思いますが、万が一の間違いを防ぐダブルチェックのため、薬局でも必ず訊かれます。小さな子どもは体重がよく変化します。その都度書くようにしておきましょう。受診理由に関しても同様です。