高崎:でもやっぱりいつの時代のドラマもラブシーンはきゅんきゅんしますね~。

水田:「カンチの夢でも見ちゃおうかな!」とか自信がないと言えない!

高崎:っていうかカンチはハッキリしなさすぎじゃないですか?

水田:あとさとみにイライラする。なんでだろう、恋愛に対して受け身で主体性がないからかな?

藤谷:それは当時週刊誌とかでもメッチャ言われてました。さとみ役の有森也実へのバッシングもすごくて、脅迫状が届いたという話もあったそうです(※ただしソースはウィキペディア)。

水田:昔の人! ドラマと現実の区別付けて!

雑すぎる人物相関図。同郷(愛媛)のカンチはさとみに想いをよせているも、さとみは三上のことが好きだが、三上は遊び人のため根が真面目なさとみはそれが許せず…。そこにカンチの同僚である帰国子女のリカが参戦することによってややこしい自体に…!

まとめ

お二人に感想を書いてもらいました!

水田さんの感想

「"奇抜な服はブスの逃げ道"などと揶揄される女性の服装問題。 かわいいネイルなど今やおしゃれとして定着したものすら、男性に"わからない"と言われる始末。 そういう時、別に男性のためにやってるんじゃないやい!と言える強さを美徳と捉えているのが、リカですね。リカは劇中でも常にモードな服を着こなしています。

ただ結局、そういった〈自分ウケ〉を貫ける〈自分で自分を愛せる女性〉が敬遠されがちなのは現代も同じなのではないでしょうか。 受け身で自主性がなく見えるさとみは、裏を返せば「自分が愛してやりたい、守ってやりたい」と思わせる天才なのかもしれません」

水田さんの感想

高崎さんの感想

視聴してすぐは「リカまじキラキラ女子」と思っていましたが、実際にハイスペック男子を捕まえるのはさとみの方かも…。いつの時代も「女に好かれる女vs女に嫌われる女」っていう構図はありますよね。

この企画のあと、様々な人が執筆された『東京ラブストーリー』についての記事を読み漁りました。書き手の社会的な立場や年齢、性別によって、作品の捉え方や着眼点が全く違うのが印象的でした。一人一人に向かって違う表情を見せるって、〈東京〉そのものですね。

高崎さんの感想

まとめ

『東京ラブストーリー』のリカとカンチは華やかなスポーツメーカー勤務(原作版では小さな広告代理店)ですが、今放送されている月9『いつかこの恋を思い出して泣いてしまう』は音と練の職業は介護職と運送業(音は練のことをずっと「引越し屋さん」と呼んでいます)。6話以降、練は貧困層を搾取するビジネスに踏み込んでいます。

仕事だけでなく、作品で描かれる「故郷」観も『東ラブ』と比較してシビアで、この四半世紀で「日本の若者」をとりまく環境も大きく変わったと思います。

90年代生まれのお二人によるドラマを見てもらった感想を見て、(携帯電話などの)技術の進化はあっても、恋愛の形は普遍的なのかもしれないなと思いました。

また、「タバコを吸っているシーン」や「居酒屋での飲み会の時に、女性が積極的にお酌をしているシーン」がテレビで放送されていることにも驚いていました。リアルタイム世代的には言われてみないと気づかないことだなと思いました(※ちなみにリアルタイムでは筆者は小学生でしたが、地元の放送局で夕方に再放送されていたので子供でも見れたのです)。

そして25年後のテレビドラマはどうなっているのかな…と考える筆者でした。