5.子どもの代弁をするような言い方は NG

育児の場合は、どうしても子どもの気持ちを代弁をするような感覚で夫に言ってしまいがちです。

「あの子は公園に連れて行ってほしいのよ。連れて行ってあげてよ」「一緒にゲームをしたがっているから、してあげなよ」というように、まるで自分が子どもになっているかのような言い方で、夫に育児をさせようとします。すると、夫は必ずと言っていいほど反発するのです。

妻は妻で、夫は夫で子どもとの親子関係があります。その親子関係を子ども自身も分けて考えています。

ママにはママへの気持ちがあり、パパにはパパへの気持ちがあるのです。

それなのに妻が勝手に子どもの代弁をすると、夫は「あの子は俺にはこう言っている、お前が思っていることと違う」「お前と俺は、あの子にとっては違う存在なんだ。お前が決めつけるな」と、対抗心を抱いてしまうのです。

何もしない夫に対してイライラしないために効果的な方法

家事や育児は女性と男性ではやはり違いがあります。

もちろん、テキパキできる夫も中にはいますが、やはりごく少数です。その夫にそもそも自分と同じようにできるように期待してはいけません。むしろ家事や育児も‘少しずつ覚えてもらう‘というくらいの感覚が必要です。

男性は何かにつけて承認欲求が強い生き物で、家事や育児にもそれが当てはまります。「あなたに手伝ってもらって助かった」「少しでもやってもらえてうれしい」「こんなにできるなんて思わなかった」といった一言が大事です。

仮に「こんなんじゃまだまだダメだけど」と思っていても、褒めておいてから、「今度はこういうふうにやってくれるといいなあ」「これもお願いしていいかな」と、少しずつ難易度を上げると、夫も「頼られるなら頑張ってやってみよう」という思いが出てきます。

なかなか根気のいることではありますが、男は一度覚えると、その後もしっかりとできるという習性があります。それどころか、「妻を驚かせてみたい」と、自分で工夫することもあります。

家事や育児をしてもらおうとする場合には、どちらかと言えば‘夫に関心を持たせるプログラム‘が必要です。

いつまでもやってくれない夫に腹を立てていたり、諦めて自分一人やることを思えば、「夫を上手に動かす技を身に付けよう」と、自分を変える方がいい方向に行くはずです。それほど妻の一言というのは使いようで、夫にとっては真逆に聞こえる言葉なのです。

【取材協力】木村泰之さん
1966年生まれ島根県松江市出身。千葉大学経済学科卒業後、23年のサラリーマンを経て夫婦カウンセラーとして独立。
様々な夫婦の問題に悩む方に男性目線でのアドバイスを送り続け、今まで3万人を超える夫婦問題のカウンセリング、夫婦カウンセラー養成、セミナー、相談者交流会等を通じて日々アドバイスや勇気、元気を渡す活動を行う。「夫婦カウンセラー木村泰之ブログ」は毎日更新中。

ライター。主に女性のライフスタイルをテーマに執筆。一般の人から芸能人、文化人、企業の社長、政治家まで幅広く取材しています。