スイッチ3:子供はちょっとだけ難しいことをしたがる

子どもは競争が大好きで、真似をするのが上手だとわかると、「どんどん難しいことにチャレンジさせたい!」と思うママもいるかもしれませんが、それはNGです。

横峯さんによると、子どもは「簡単すぎることは飽きる、難しすぎると挑戦しない」のだとか。一番やる気がでるのは「ちょっと難しいこと」。例えば跳び箱が1段しか跳べない子に10段を用意しても全く挑戦しようとしません。ですが、2段ならば挑戦したくなるというのです。

文字を覚えたばかりの子どもたちに読ませる本も、いきなり難しい本を与えたら誰も読みたがりません。しかし、例えば1ページ目に「おはよう」、2ページ目に「こんにちは」が書いてあるだけのような本であれば、読んでみようという気持ちが起こり、一文字一文字思い出しながら読んでいき、読み終わると解放感や快感を感じることができるのです。

その経験の繰り返しにより、本が好きになっていく子どもがたくさんいるといいます。

子どもが今、どれくらいのことができるのかを観察し、いつもそれよりもちょっと難しいことを与え続けていくこと。その仕組みによって子どもは勉強でもスポーツでも夢中になって取り組めるでしょう。

スイッチ4:子供は認められたがる

最近は「褒めて育てる」というのが子育ての一つの定番ともなっていますが、横峯さんは褒めるより「認める」ほうが重要だといいます。認めるというのは、赤ちゃん扱いではなく、お兄ちゃん、お姉ちゃん扱いするということ。

横峯さんの園では、跳び箱を10段跳べてもほめるのではなく、「お兄ちゃんなんだから跳べて当たり前」という目で見て、「よしっ、合格」や「オッケー」などと声をかけるそうです。それにより、子どもは「認めてもらった」という満足感を得て、さらなる挑戦をしようという気持ちになるのだそう。

さらに、「認められる」という経験が続くと、友達同士でも認め合えるようになり、他の子の成功を自分のことのように喜べるようになるといいます。自分が跳び箱を10段跳べることより、できない子が6段を跳べたことを喜び合うことができるのです。

そんな素直な子どもたちの心は、大人には真似できない素晴らしいもの。やはり赤ちゃん扱いではなく、きちんと認めてあげたいですよね。

ヨコミネ式というと、先生が一生懸命勉強や運動を教えるというイメージを持っていた人も多いかもしれません。しかし実際の先生の役目は子どもたちのスイッチをタイミングよく押してあげること。それによって子どもたちは自ら夢中になってチャレンジしていくのでしょう。

今回は、4つのスイッチをご紹介しましたが、もっと知りたいという方は、ぜひ『ヨコミネ式 子供の才能を伸ばす4つのスイッチ』を参考に、家庭でも「ヨコミネ式」を取り入れてみてください。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。