私にはできる!(自己効力感)

続いては、「自分にはこれができる!」という、自分の可能性を認知してもらいましょう。

子どもがそれまでできなかった何かをできるようになったら、親はすかさず喜ぶと良いそうです。

「昨日までは〇〇できなかったのに、今日はできたね」などと、できたこと・できなかったことを対比させた言い方をすると、より効果的だそうですよ。

特に「ママが言わなくてもできるようになったね」というのは、魔法の言葉らしいです。子どもの中で「やり続ければできるようになる!」という感覚が育まれてくるそうです。

自分の行動に責任を持つ(自己責任感)

基本的に、モノの片づけのような日常的なことには、親が手を貸さないのが田中家のルールだそう。

黙っておけば誰か(主にママ)がやってくれるという状況では、子どもの自発性は眠ったままです。子どもの身に危険が及ばないことであれば、親は動かないほうがいいのです。

部屋が片付かないのは、散らかした人の責任。自分が処理しなければ物事は片付かないのだと、早い段階から認知してもらいましょう。

自分のやっていることが楽しい(自己幸福感)

田中さんは、「〇〇ちゃんは、どんな時が幸せ?」という問いかけを、親子の会話に組みこむことを推奨しています。

ゴールデン・ポテンシャル・キッズには、「生まれてきてよかった」くらいに、あるがままの自分を幸せに感じている状態が似合うからです。他人の評価を気にしたり、誰かのために自らを犠牲にしていたりする人生は不幸せ。自分が思い描く幸せを大事にしてもらいたいもの。

この子にとっての幸せとは何なのか? それは、好きなだけ寝ていることだったり、友達と遊ぶことだったり、給食の時間だったり……と、一人一人に違う幸せがあって、すべてが正解です。

答えは何でもOKなので、考えてもらうきっかけだけは、親が言葉で与えてくださいね。

私は変われる!(自己変容感)

ありのままの自分を受け入れるのも素敵ですが、何かに失敗してしまった時、自分を変えようとしてもいいですよね。人は変われる、という可能性を感じてもらうことも重要です。

そのためにも、子どもが何か変わったことに気づいたら、親は声をかけるといいと、田中さんは伝えています。努力して何かを変えたことについては、ほめ言葉をかけてほしいとのこと。

また、ほめる時だけではなく、「背が伸びたね」というような、ちょっとした変化に声をかけるのもいいそうですよ。

自分は変わっていくし、変わってもいいのだと知ることも、子どもをポジティブマインドにしていきます。

子ども自身が自問自答して行動を選び、自分のしたこと、あるいはしなかったことに責任をとる。それを日常的に繰り返していけば、子どもが自分を幸せにする力は磨かれて、ぴかぴかに光り出します。

併せて、ママも自らにポジティブ・プッシングを行ってみるのもいいかもしれません。

昨日までは子どもに「〇〇しなきゃダメでしょ!」と、子どもの可能性を狭めるような言い方をしていたのをやめられたら、親も「今日は考えを押しつけずに話すことができたね!」と自分をほめていくと、親力が伸びるのではないでしょうか。

女性の生きにくさをちょっぴり軽くするコラムニスト。医療従事者向けの情報サイトでメディカルコミュニケーターを勤めたのち、『OKGuide』にて読者のあらゆる疑問・お悩みを解消に導くガイド記事を提供している。今や絶滅寸前の女子短大卒。