トラウマになるかもというご心配も聞きますが、本当にトラウマになってしまった子は、そのときその子の想いを受け止めてあげられる大人がそばにいなかったのではないでしょうか。

預け先が「いやだ」と言う子どもの気持ちを分かってくれる団体であれば大丈夫だと思います。

――なるほど……。でも野外体験中もずっと泣いている子もいるのでは?

箕浦:ずっとではないですが、泣く子はたくさんいますよ(笑)。出発式の駅のホームで泣き叫んでいる子どもを3人抱えて電車に乗ったこともあります。ホームで「今ここでキャンセルして」と母親に訴えていた子もいました。

でも、子どもは出発すると、1分で涙が止まるのです。

私たちは、慰めるわけではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら見守っています。すると子どもはもう帰れないとわかって、自分の中でモードを変えて、5分後には普通に話すようになるんです。

行ったら、絶対成長があります。

そんなわが子が帰ってきたら、親は「本当にうちの子がそんなことができたんですか?」などと言わないで、「お母さんがいないところでがんばったんだね。」と素直に認めてあげてほしいと思います。

成長につながらない体験はない

花まる学習会の野外体験では、行く直前まではいやがっていた子も、必ず笑顔で帰ってくるそうです。

スタッフの大人や、沢山の仲間たちとともに過ごし、顔つきまで変わってくるという子どもたち。

わが子を送り出すことに不安を感じるお父さん、お母さんも多いと思いますが、子どもの頑張る力を信じて、送り出す勇気をもってみることも必要かもしれません。

編集/ライター。パソコン週刊誌に15年ほど在籍後、フリーに。デジタル全般から、ゲーム、教育、グルメ、ホビー、文具まで幅広く探索中。デジタルネイティブな男子の母でもある。http://izumi-aikawa.strikingly.com/