第3パートはアコースティックコーナー

『Falling Stars』

さて、ここからはアコースティックコーナーに入ります。歌声が大きな武器であるNegiccoにとって、ワンマンライブでは外せない時間になりました。

初期楽曲『Falling Stars』でスタート。この曲で第一回古町音楽祭を優勝したNegiccoにとっては、とてもとても大事な楽曲。そして、大事なところで勝負強いのがこのグループだなぁ、ということも思い出します。

『おやすみ』&『Good Night ねぎスープ』

さらに続くのは最新アルバム収録の『おやすみ』。アコースティックコーナーでは定番になった感がありますね。以前は1stアルバム収録の『ルートセヴンの記憶』がこの地位にあった気がしますが、今回はセットリストに入っていません。そう、過去のNegiccoから、どんどん変わっていくんです。

続く『Good Night ねぎスープ』も最新アルバムから。全体を通して、ともかく最新形のNegiccoを見せようという気概が感じられる構成です。そして、今回のように意識的に分けられることで、旧いNegiccoと新しいNegiccoがかなりテイストが違うことも再確認できました。

『サンシャイン日本海』

MCに続いて、「いち、にーい、サーンシャイン!」を何度も練習。そう、これも思い出深い夏曲です、『サンシャイン日本海』。凄腕ぞろいのNEGiBANDですが、この曲でネギホーンズの面々がいわゆるPPPHを思いっきりやっていたのは微笑ましかったです。

こんな楽しいバンドメンバーに囲まれて、Negiccoは音楽的にも人間的にも贅沢な時間を過ごしたんだろうな…なんて思ったり。

『虹』&『カナールの窓辺』

こちらも連続して最新アルバムから、可愛らしい『虹』としっとりした『カナールの窓辺』を。ここ最近のNegiccoからは、可愛いらしさと同時に、大人っぽい落ち着きも感じるようになりました。必死に歌い踊る姿がいじらしかった彼女たちが、こんな大きな会場で、表現力の幅を見せつけてくれるなんて、なんだか信じられない気すらします。

ここで少しMCタイム。Nao☆さんが「1階ハロー!2階ハロー!3階、オウイェイ!」と呼びかけたり、女子ファンの皆さんに「言いたいことあるー?聴きたいことある?」と無茶ぶりしたり。このどこに行くかわからないNao☆さんを、Meguさんが優しく、Kaedeさんが冷静にフォローしていく感じ、絶妙です。

『SNSをぶっとばせ』

MCの途中からはSNSの話題に。Nao☆さんがtwitterアカウントのパスワードを忘れてMeguさんに電話で「知らない?」と聴いた話や、SNSをやめてしまいたくなることもある!という話になり、もちろんここで『SNSをぶっとばせ』を披露。

ここで感じたのは、今回のワンマンライブはかなり安定しているのでは?ということ。1年間一緒に走り抜けたNEGiBANDの面々がバックにいることもあってか、気負いや緊張よりも、ステージを楽しもうとする姿勢が目立っていました。

オフィシャルショット

『トリプル!WONDERLAND』&『さよならMusic』

さてさて、ここからは後半戦です。会場をアツく盛り上げる楽曲が目白押し!まずは大定番『トリプル!WONDERLAND』から。イントロのギターが聴こえただけでうおおー!と叫びだしたくなります。このツカミ、どこでライブをしても本当に強みになりますね。

そして生バンドだからこその良さが詰まっている『さよならMusic』へ。シングルのB面曲なのに、これだけライブで愛されているというのも面白いですね。落ちサビでのmabanuaさんによるドラム、無茶苦茶カッコイイ。何度も思いますが、本当にすごいバンドと出会えましたね!

『ときめきのヘッドライナー』&『圧倒的なスタイル』

セットリストを振り返ると、このパートがどれだけキラー曲を連発していたか、そしてどれだけNegiccoがイイ曲を持っているかに驚きます。小林岳五郎さんのボイスパーカッションから始まり、タオルを回しまくる『ときめきのヘッドライナー』で、NHKホールがフェス会場に早変わり!

さらにさらに、ド定番曲『圧倒的なスタイル』で笑顔を振りまいて、みんなでラインダンスをして…。Negiccoのライブに求めているものが、すべて満たされていくような時間です。

オフィシャルショット

同時に、いろいろなことが頭をよぎりました。Negiccoは、これからどこに行くんでしょう?そして、この向こうには、誰がいるんでしょうか?

例えば最新のテクノロジーを超絶技巧ダンスと合わせて提示するPerfumeは、一つのモデルではあれど、全く同じ道を行くわけにはいかないでしょう。Negiccoは、まだ誰も行かない道を行くべきアイドルになったのかもしれません。

ここから先は、一枚一枚のシングル、一枚一枚のアルバム、そして一つ一つのワンマンライブが、グループの浮沈をかけた大勝負になることでしょう。なんと険しい道、辛い苦難、とも思いますが、13年前の少女たちが、願ってもみなかったような境遇にあることも事実です。

Negiccoはこれから「新しい刺激」と「安定の味わい」のバランスをどう取っていくのでしょうか?どちらに触れすぎてもNegiccoらしさが無くなってしまう…。そもそも、Negiccoらしさってなんだろう?ラインダンスに揺れる客席を見ながら、そんなことが頭を駆け巡っていました。