【酒場】美声の“神”が焼く70円のもつ焼き「丸小」

今宵のせんべらーは東中野の立飲みもつ焼き屋「丸小」へ。マスターとおばちゃんの見事なコンビネーションに目を奪われつつ、マスターの美声を肴に串を制覇しビールを空けた。

千円でベロベーロになれるせんべろ酒場。
新婚の後輩男子とともに今夜は東中野の「丸小」を目指す。
と思ったら、少し見ないうちどうも駅がなにやら工事中。
柵でおおわれてしまうと、駅の景色を起点に記憶していた町の脳内地図が
おろおろとパニックを起こす。右? 左? 信号青? 赤? 男? 女? 
私は誰? ワウ! 
こうやって再開発が人間を混乱におとしいれ、
あげくボケさせるんじゃないかろうか。
と思ったら、あった。
風にゆらゆら頼りなくゆれる赤提灯。
コの字型の立飲みもつ焼き屋。
天井からどんな意味があるのか、開いたままぶらさがったビニール傘。
思わず目頭をおさえたくなるような、変わらなさ。
毎度混んでいるため、ちゃんとカウンターにつけるのは今夜が初だ。
(ちなみに外テーブルは自転車の荷台だ)

 

ここの品書きは感動的にシンプルだ。
レバー、しろ、かしら、なんこつ、タン、ハツ、おしんこ、ビール大小、酒。
のみ。串は70円か80円。とこれまた何十年も変わっていないと思われる。
こぶりでジャンクでかむほどになんだか笑いがこみあげる、
これぞもつ焼きのど真ん中という味わいだ。
炭をぎゅうぎゅう詰めた焼き台で、ジュビジュビジュバ~と音を立てて
串を焼くのは年季の入った白衣に身をつつむ長身のマスターだ。
あるものは天才と呼び、またあるものは神と呼ぶ男。
「はいよ、タンかしら塩で2!」
「ビール、1」「酒、1」
「たれしろ4で!」
と声をあげながらマックス30人はいようかという客を、
ちっちゃいおばちゃんと二人でまわす。
姿が消えたと思ったらどこぞから皿に持った新ネタをどかんと運び、
ポットからじゃぶじゃぶとコップに酒を注ぎカウンターに置いたその勢いで串を返す。

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