「いいお母さんって、どんなお母さん?」

現代の母親たちはその曖昧な理想像に常にプレッシャーを感じながら、育児に、そして仕事に励む毎日。

しかし、同じくらい“いい子”の定義は曖昧なもの。

子どもが全然言うことを聞いてくれなくて頭を悩ませる一方、綺麗にご飯を食べ、整理整頓も自分でできる子でも、「こんなに聞き分けが良くってうちの子無理していないかしら?」と親は不安になるものです。

「子どもらしい子どもは、ひとりひとり個性がはっきりしていて、自分丸出しで堂々と毎日を生きています。

それで大人から見ると、世間の予想をはみ出す問題児かもしれません。だからこそ、可愛いのです。」

出典(『子どもはみんな問題児。』 著・中川李枝子)

このように語るのは、『ぐりとぐら』『そらいろのたね』などの絵本の著者として知られ、自身も17年間保育士としてたくさんの子どもたちと多くの時間を過ごしてきた中川李枝子さん。

きょうは、そんな中川李枝子さんの著書『子どもはみんな問題児。』より、明日からもっともっと自分の子どもが愛おしくなる言葉をご紹介。

きっと、子どものあらゆる行動を楽しく感じ、少し育児が楽になり、そしてたくさんの気づきをくれるはずですよ!

1:「子どもは自分丸出しで生きています」

保育園で顔に傷を作って帰ってきて、いつも誰かと喧嘩しているみたい...うちの子、友達とうまくやっていけるのかな...

子どもの顔や体についた引っかき傷を見て、そんな不安を抱くママも多いのではないでしょうか? 中川さんは「子どもは何をやるにもはんぱではない」と言います。

「いたずらひとつするのも、命をかけて全力です。友達とけんかするのも必死。いい加減じゃありません。何をやるにもはんぱではないのです。

ですから受け止める側にも、相手に負けないエネルギーが必要です。」

出典(『子どもはみんな問題児。』 著・中川李枝子)

つまり子ども同士の喧嘩は、お互いに自分の気持ちが赴くままに全力。相手に手を抜かずぶつかり合うって素敵だと思いませんか?

そんな子どものエネルギーを、喧嘩相手の子どもも受け止めているのですから、親が心配するほどのことって実はそんなにないのかもしれません。

子ども同士の本気のぶつかり合いを楽しむ、そんな気持ちが湧いてくる言葉です。

2:「子どもの言うことは全部ほんとうです」

少しお兄さんお姉さんになって、言葉を自在に操れるようになると、子どもの嘘が気になることはありませんか?

日常に謎の登場人物が現れたり、行ったこともない場所の話をさも行ってきたかのように話したり。心に余裕のないとき、「なんでこんなわかりきった嘘ばっかり言うの?」なんてイライラしてしまうこともしばしば。

「私はその子をうそつきとは言えません。子どものうそは創意の所産だと、民俗学者の柳田國男さんもおっしゃっています。」

出典(『子どもはみんな問題児。』 著・中川李枝子)

子どもの頭の中では実際に起こっていること。子どもは嘘をついているのではなく、実際に頭の中で体験したことを一生懸命ママに共有しようとしてくれているのです。

子どものとって、目に見えることだけが真実ではなく、自分の生み出したもの、身の回りにあるもの全てが真実なのですね。