罪悪感を抱かせて支配する「かわいそうな母」
前述の6タイプの毒母の特徴を見て、「こういうタイプも毒母なの!?」とちょっと意外に感じた人もいるのでは?
特に、2の「かわいそうな母」、4の「至れり尽くせり母」は、自分を犠牲にして子育てをがんばっている良いお母さんにも見えそうです。コントロールされている子ども自身が、そのことに気づかないケースも多いでしょう。
これらのいわば「隠れ毒母」をうまく見分ける方法はないのでしょうか? 著者の高橋さんに聞いてみました。
高橋「まず、かわいそうな母タイプの場合、子どもが罪悪感を感じているかどうかがカギです。
このタイプの毒母は、子どもが自分の思い通りにしようとすると、あからさまにつらそうな態度をとるので、子どもは自分が間違っているように感じて、結局母親の希望通りにしてしまいます。
ですので、もし子の側が、ことあるごとに母親に対して『私のせい』『私が悪いんだ』と罪悪感を感じているなら、母親が毒母である可能性があると言えますね」
反抗期がないのは「至れり尽くせり母」の可能性大
では、もう一方の至れり尽くせり母タイプの見分け方は?
高橋「このタイプは、たいてい、口では『あなたの好きにしていいのよ』と言って、穏やかにかいがいしく世話を焼いてくれますが、内心では、我が子が高学歴・高収入の、世間一般でいう勝ち組になってくれることを望んでいます。
そしてその期待が、普段の言動から子どもにみえみえです。そのため子どもは反抗できず、母のために、母が敷いたレールの上を進んでしまいます。
たとえば、子ども自身が母親のことを良いお母さんだと感じていて、勉強もスポーツもがんばって母親の期待に応え続け、思春期に反抗期がなかったという場合、母親が至れり尽くせりタイプの毒母である可能性が高いです」
グチっぽいのは毒母の証!?
また、母親が娘に文句を言ったりグチをこぼすのは、多くの家庭でよく見られる光景かもしれませんが、高橋さんによると、子どもにグチを垂れ流すこと自体が、毒母全般の特徴の一つなのだそう。
高橋「特に、毒母には、夫の悪口や夫が浮気しているという話など、子どもがショックを受けること、傷つくようなことまで平気で話してしまう傾向があります。
毒母は、実は子どもに依存していて、無意識に娘を自分のお母さんがわりにして甘えているので、何でも言っていいと思っているんです」