「口下手で人とうまく話せない…」と悩んでいませんか?

実は「口下手」は、改善することができるのです。

今回は、元NHKキャスターで、話し方スクール「KEE'S」の代表であり、自ら講師も務める野村絵理奈さんに、ママが「口下手」を改善する方法を教えていただきました。

野村さんは、次のように話します。

野村絵理奈さん(以下、野村)「私のスクールにも、ママ友との会話を円滑にしたい、PTAや保護者会など、人前での話し方が上手くなりたいといった女性の生徒さんがたくさん来られます。

話し方というと、どうしてもビジネススキルというイメージでとらえられがちですが、日常のコミュニケーションや、人間関係、印象を良くするために、お子さまをお持ちの女性などにとっても、幅広く大切なスキルであると思います」

口下手を改善することは、「話し方」のスキルを身に着けることにもつながります。ぜひチェックしてみてください。

人が「口下手」だと思ってしまう原因は?

まずは野村さんに、「私って口下手だから…」と思ってしまう原因を教えていただきました。

野村「『口下手』とはつまり『会話することが苦手』なことを指します。会話が苦手だと自覚している人のパターンで最も多いのは、おとなしい性格、引っ込み思案など、人と積極的に会話するのが得意でないタイプの人です。

みんながワイワイ話しているのに、会話の輪に入れない、いつもあいづちを打つばかりで自分の意見を言えない、知っている人と会っても立ち話をするのが嫌であいさつできない。

このようなことが当てはまる場合、いわゆる『口下手』と自覚することが多くなるのではないでしょうか?

ただ、会話が下手なのは、おとなしいタイプばかりが当てはまるわけではありません。

実際は、自分の話ばかりする人、話の腰を折ってしまう人など、一般的に見れば話すことが好きなタイプも含まれます。ただ、そのようなタイプの人は自分が口下手だとは自覚することは少ないかもしれません。

反対に、おとなしいタイプの人であっても、聞き上手、引き出し上手な場合は、自分から発言することが少なくても、会話上手な人といえます。

つまり、発言が少ないからといって、口下手とは限らないのです。会話はキャッチボールですので、相手の話を拾って投げ返す役割もとても重要です」

野村さんによれば、「会話をすることが苦手」な悩みには他にもあるといいます。

野村「会話がかみ合わず、相手をイライラさせたり、関係性を悪くしてしまったりするといった会話のお悩みもあります。このような悩みを持つ人に多いのは、相手の気持ちや真意が分からず、コミュニケーションが成り立ちにくいという特徴です。

また、言いたいことをすぐ口に出す、攻撃的なコミュニケーションを取ってしまうというような人も、言葉で人を傷つけ、知らず知らずの間にいつも敵を作って孤立してしまうことになります」

「口下手」を直したい!第一歩は自分の原因を分析すること

これまで挙がった「口下手」の原因に、心当たりはありましたか? 野村さんは、口下手を直したい場合、まず自分の原因を知ることが大切だといいます。

野村「さまざなタイプの『口下手』の方に、まず必要なのは、自分がどのような原因で『口下手』になってしまっているのか、つまり、何が原因で相手とのコミュニケーションミスが起こっているのかを分析してみることです。

相手とのコミュニケーションをスムーズにするには、まず自分のコミュニケーションの取り方を知り、課題点を認識するのが第一歩です。

例えば『会話が苦手で人を避けている』ことが原因であれば、少しでも『人と接点をつくり会話する』ことを意識する、『言葉がきついと言われる』のであれば、『できるだけ優しい言葉を使う』ことを意識してコミュニケーションをとるなど、対策が立てられます。

コミュニケーションの多くの問題点は、なぜうまくいかないのか?どうすればうまくいくのか?が性格上の問題とされ、非常にあいまいで、改善されないまま悩み続けることだと思います。しかし、会話を含むコミュニケーションは『テクニック』です。

『口下手』は、自覚している部分の改善努力や、人から指摘されたことを直すなど、日々のコミュニケーションの姿勢を変えていくことで、十分改善は可能です」