口下手を克服する方法

自分の口下手を克服したい場合、どんな方法で克服できるのでしょうか? 原因別にアドバイスいただきました。

人と積極的に会話するのが得意でない引っ込み思案タイプ

野村「話すことが苦手であっても、会話には他にも重要な役割があります。それは、話を聞くということです。もし、ママ友同士の会話の中で発言するのがちょっと苦手…という場合は、聞き役に徹するのはいかがでしょうか。

会話の中では、聞き方の技術を『傾聴』と呼び、話すことと同じくらい重要なスキルです。まず、傾聴で重要なのは『共感』です。特に女性同士の会話は、論理的に結論を導き出すというよりも、共感を目的としていることが多いです。

話し手に共感を示すには、表情やうなずき、あいづちといった分かりやすい『返し』をすることが重要です。会話が苦手だというおとなしいタイプの方は、自己主張が苦手な反面、相手の話を聞くことが得意な場合が多々あります。

自分から話すのが上手な人は、つい話すことを優先してしまうあまり、相手の話をゆっくり聞くことができない傾向があります。そのような人の話をきちんと聞き、共感してあげられる人がいて初めて、会話は盛り上がるものです」

言いすぎてしまう・攻撃的なタイプ

野村「反対に『言いすぎてしまう』タイプの人も、同じく傾聴スキルを磨くのが有効です。

また、ママ友と最初は仲良くできるけれど、いつも次第に距離を置かれてしまうという方がいますが、言葉遣いや表現がストレートすぎると、何かのきっかけで関係性が悪くなるリスクがあります。

『人間関係は腹八分目』と心得て、適度な距離感を取りながら、できるだけ無駄な衝突を起こさないことも大切です。

具体的な方法としては、ネガティブな言葉をできるだけ使わず、ポジティブな言葉に変換するクセをつけることです。

言いすぎるタイプの人は、知らず知らずの間に攻撃的な言葉を使いがちです。そのような言葉遣いを変えるには、ネガティブな言葉を使った回数をカウントし、それをできるだけポジティブに変えて増やしていくのをおすすめしています。

物事は表裏一体ですので、ネガティブなことには、必ずポジティブな面があります。

例えば 『うちの夫は、休みの日は疲れたと言って、寝てばかり』というのは『平日は遅くまで仕事で、疲れている』という捉え方もあります。

『うちの子は、運動ばかり得意で勉強は一切しない』というのも、『うちの子は、勉強より運動が好きみたい』と言い換えれば、ネガティブな印象は消えます。

このように、言いたい言葉を一度飲み込んで間を取り、その間に物事をポジティブに捉え直して話すようにクセをつけていけば、いわゆる攻撃的なタイプの話し方を改善することができます。

仲良くなったから何でも言い合えると勘違いせず、相手に対しても、気持ちのよい会話を心掛けるマナーは守りましょう」

実践しやすい自宅でできる話し方の練習

子育て中のママは、まだ子どもが小さいと自宅で過ごすことが多いでしょう。そこで野村さんに、自宅でできる話し方の練習方法を教えていただきました。

野村「自宅では、明るく、印象よく話す練習をするのがおすすめです。声は小さいほど自信のなさが相手に伝わります。また、発音や滑舌は不明瞭であればあるほど、聞き取りづらいだけではなく、印象も暗くなります。

私は『笑声(えごえ)』という言葉で表現するのですが、声にも顔と同じく表情があります。しずんだ表情で発せられた言葉は、しずんだ表情をしていますし、明るい表情で発せされた言葉には明るい響きがあります。

話すときは、笑顔の口、口角を上げながら、大きく開いた口で話すようにすると、発音の印象が良くなります。また、声は少し高めのトーンで出すと親しみやすいイメージが付きます。

自宅の鏡の前で、笑顔を作り高めのトーンで話す練習をしてみましょう。普段の話し方と違っていれば、笑声で話す練習を続けて、印象のよい話し方を身につけましょう」