いちばん奥の一画に、ガラスで囲まれたチーズ工房がある。
先の南イタリアのチーズ工房よりも規模は小さいけれど、
チーズ職人の藤川真至さんがひとりで黙々とモッツァレラを作っている。

     

 

 

藤川さんは、北イタリアで硬質チーズ作りを勉強し、
南イタリアや北海道のチーズ工房を見学した経験を生かし、この店をはじめた。
なぜ渋谷を選んだのか、藤川さんに訊ねた。
「一般的に北海道とかの山の中でないと、作り立てのチーズが食べられないのが現実です。
東京で出来立てのおいしさを味わって欲しいと思い、渋谷を選びました」

都心のど真ん中で牛を飼うことは難しい。
現時点では牛乳を自給することはできないけれど、できるだけ新鮮な牛乳を使いたい。
藤川さんは、八王子にある『磯沼ミルクファーム[http://isonuma-farm.com/] の牛乳を選んだ。

「東京には牧場が54軒あるんですが、磯沼ミルクファームの牛乳は
3年連続で東京でいちばんおいしい牛乳の認定を受けています。
品質はもちろん、鮮度の良い牛乳を使いたかったので、
磯沼ミルクファームの牛乳をわけてもらうことにしました」

磯沼ミルクファームの創業は60年前。
6000坪(甲子園球場1個分)の牧場で、約100頭の牛を牛舎の中で放牧している。

 

 

牛はホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスの3種類。
ストレスの少ない環境で飼っていることに加え、
3種類の牛乳をブレンドしているため、磯沼ミルクファームの牛乳は濃厚だ。