「何やっても何歌っても『heidi.のボーカルは俺しかいない』」(義彦)

団長:それで、俺はheidi.が始まったときからリアルタイムで見てるんですけど。

当時の義彦はいってしまえば無名で、ほかの3人はすでに雑誌とかにも普通に出ていたじゃないですか。コイツこうやって飄々としてるけど、当時「(プレッシャーで)吐きそう」って言ってて。自分以外全員年上でキャリアもあって、さんざんツアーとかやってる人たちの中にいきなり入って歌うっていうプレッシャーが。当時「もし団長が同じ立場だったらどうする?」って聞かれたもん(笑)。

だから俺たちからみたらサクセスストーリーなんですよ。いきなりスターダムというか、最初の活動が約束されてるバンドに声をかけられるなんて。

義彦:そのときは胃がキリキリでしたね。メンバーとも2、3年敬語だったんで。

団長:最初の頃そうだったよね! あの頃にスタジオでバッタリ会ったんだよね。そしたら義彦が「10時間スタジオだよ~死んじゃうよ~」って言ってて。すげえしごかれてたんですよ。鬼特訓。

義彦:寝れなかったですもん、最初の頃。

――話だけ聞いていると映画の『セッション』みたいですね(笑)

義彦:でもメンバーは最初から基本的には優しかったんです。でも、その優しさがなんていうかプレッシャーになったんですよ。

団長:俺みたいに自分で作ったバンドならまだしも。

義彦:ライブはもちろん楽しいんですけど、当時は「ナオの理想に近づかなきゃいけない」って勝手に思い込んでいて。ボーカリストというよりは、コンポーザーであるナオの思い通りに曲を歌わなければいけないって意識でやっていた。

――義彦さんの生真面目さに加えて、メンバーの優しいところが逆にプレッシャーになってしまっていたと。

義彦:今は全然ないんですけどね。

団長:ある時から急に変わったよね。それまでずっと一歩引いてたんです。フロントマンなのに。それがステージでおかしなMCをするようになった。

義彦:「おかしな」って(笑)。

団長:だってMCがない時代もあったじゃん。ある時「俺が歌ってるからいいでしょ」みたいなMCをするようになって、変わったんだなあと。

義彦:吹っ切れたじゃないですけど、何やっても何歌っても「heidi.のボーカルは俺しかいない」っていうのを感じるようになってから、メンバーにもちゃんといろいろ言うようになったんです。

団長:長かったなあ。この人こういう性格なんで中々変わらないんですよ。

「『中堅フェス』やりたいですね(笑)」(団長)

――そして時は流れ、NoGoDもheidi.も10年以上のキャリアを持つバンドになりました。

そういえば団長さんや義彦さんの世代は長く活動していたり、形を変えてもステージに立ち続けている人も多いように感じます。

団長:多分それは理由があるんです。最近なんとなく気がついたのは、続けている人たちは思春期にヴィジュアル系を見ている世代なんですよね。一番いい時代を見てるし、そのレジェンド世代が今でも現役で夢を見せてくれてる。

――去年もそういった夢の実現というべきVISUAL JAPAN SUMMIT 2016にNoGoDもheidi.も出演されましたね。

義彦:超感動しましたよね。X JAPANもhide with spread beaverも、GLAYもHYDEさんも生で見ることが出来て。

同じステージに上がったのも感動したけど、それ以上に先輩たちの音楽のすばらしさを感じることができたのが、それだけでじゅうぶんです。

団長:いいな~! 俺2日目だけ観てないんだよ~。

――団長さんは3日目のNoGoDだけでなく、1日目のX SUGINAMIにも出演されてました。

義彦:むしろだいぶ出てるな、お前!

団長:今音楽業界が不況だ、ヴィジュアル系も例に漏れず…という中、ああいう形で夢を見せてくれて…。俺らの世代がLUNA SEAやX JAPANと一緒にやれるなんてないよ。

――heidi.もNoGoDも最近普段のイベントだと中堅というか、トリやゲストになることも多い中、VJSのステージでは若手みたいにガツガツしていてよかったと思います。

団長:中堅ですよね~。俺たちの世代が糞詰まりしてるから、若い子に申し訳ないなって思ったりもしますね。最近はもう高校生に「NoGoD聴いてました!」なんて子いるじゃん。

義彦 :あと「意外と若いんですね」は言われるね(笑)。

団長:俺らはたまたま世に出てきたのが早かったからね。NoGoDが21歳の時、heidi.もそのくらいだよね。最近「今勢いある若手です!」って紹介されて「あれ? 同い年!」みたいな。

義彦:そういうときに上下関係ってどうするんだろう……。

団長:難しいよね。とにかく、我々中堅が辞めるわけにはいかないんですよ。いい時代を見てるし、今が一番悪い時代かもしれない、でも俺たちが諦めちゃったら未来がない。いい音楽をやってる上でエンターテイメントをわかっている世代なんで、我々中間管理職が頑張るしかないんです!

義彦:ははは。

団長:それに今更バンド以外の道は見つけられないもんな~。

義彦:でも団長は曲も作れるじゃない。

団長:俺自身トークイベントやDJとかでソロで活動するじゃない? そのときによく「あいつはバンドのことじゃなくて自分のことしか考えてない」って言われたりするけど、バンドのために決まってんじゃないかっていう。

本当に自分のことしか考えてなかったらバンドやってねえよ。俺も義彦も似てて、音楽がしたいんじゃなくてバンドがしたいんです。

義彦:俺もひとりでやろうとは思わないな。

団長:弾き語りとかはやるときはあっても、ソロデビューは絶対に無理。だってひとりで音楽してても楽しくないもん。喧嘩も絶えないですけど、バンドってものが楽しいんです。義彦も俺も良い第二の家族にめぐりあえたのはよかったのかもしれない。

――もしかしたら家族よりすごしてる期間が長いかもしれないですね。

団長:会ってる回数は多くなりかけてますよね。

義彦:今、heidi.はめっちゃ仲良くて。ライブ終わったら全員で飲みに行くんですよ。なんか良いことか悪いことかわからないけど(笑)。

団長:好きなことを楽しくやれるのが一番ですよね。

――末永く続けてください。

団長:だからheidi.となんかやりたいんですよ~。

義彦:やってよ~。

団長:この世代の人たちがもっと集まれば大きいこともできるかもしれない。「中堅フェス」やりたいですね(笑)。

義彦:「中堅」を謳っちゃうの!?

団長:だから「中堅」って言われてもいい人だけ呼ぶんだよ!

heidi.スケジュール

2年半ぶりのフルアルバム「邂逅」発売中!

heidi. Live Tour 2017「邂逅」

4月1日(土)長野LIVE HOUSE J
4月2日(日)山梨KAZOO HALL
4月8日(土)札幌COLONY
4月9日(日)札幌COLONY
4月16日(日)代官山UNIT -TOUR FINAL-

heidi. 11th Anniversary Party!!

6月3日(土)新宿BLAZE
[vs]
DIAURA
Kra
THE MICRO HEAD 4N’S
(ABC順)

NoGoDスケジュール

NoGoD-2017-SPRING ATTACK【 W/O-U 】

4月22日 (土)名古屋ell.FITSALL
4月23日 (日)阿倍野ROCKTOWN
4月26日 (水)福岡DRUM Be-1
4月27日 (木)広島SECOND CRUTCH
4月30日 (日)長野JUNK BOX
5月6日 (土) Shibuya WWW X

イベントなどは公式サイトでチェック!