今作で特筆すべきは、この曲が3拍子であることだ。J-POPにおいて3拍子の曲が表題曲になるのは稀なこと。まして、ダンス表現が欠かせないテミンの曲で……、と思ったが、やはり、そこは「僕がやりたいと思っていたことがすべて入っていた」とテミンに言わしめた菅原小春のダンス。見事なまでに楽曲と調和して、3拍子であることが前作以上に楽曲に不思議な印象を与える、そしてその菅原に「ダンサー殺し」と例えられたテミンだからこそ築ける世界が表現される。

★テミン (TAEMIN) - 「Flame of Love」 MUSIC VIDEO (Full Version)をYouTubeで見る

写真を拡大 テミン『Flame of Love』初回限定盤(CD+DVD)ジャケット

『Flame of Love』のビジュアルを担当したのは、カメラマンの蜷川実花。赤と青の花が印象的に用いられているジャケット写真に仕立てられた。

一方ミュージックビデオ(MV)では、CGの炎がテミンを包む。これらは『さよならひとり』のMVでも象徴的に用いられていたモチーフ。坐位から始まる菅原小春のコレオ、オリエンタルなサウンドと和風の歌詞、バラードで歌われるドラマティックな悲恋、この2曲には共通点が多い。

5曲入りとなる『Flame of Love』だが、『Do It Baby』のようなアップテンポのダンスチューンや『DOOR』のようなR&Bチューンももちろん良いが、特にボーカリストテミンの力量を感じさせるピアノ1本で聴かせるバラード『いつかここで』、そして、『I'm Crying』のようなJ-POPバラードにおける表現力が秀逸なのがポイント。高く繊細なテミンの声にはバラードがよく似合う。