学校と対立しないために

学校側と話し合いがどうしてもうまくいかない場合もあります。出来ることなら対立は避けたいですが、いまだに不登校を「甘え」とされ強く登校させるように言われると、親としてはつらいところです。

学校によっては、先のAさんのように「登校できるときに登校する」スタイルが受け入れられるとはかぎりません。学校側と話していてもらちがあかないと感じたら、他に相談できる人や安心できる場所を探す方が早道である場合があります。

Sさんは、息子さんが不登校になり始めた頃から現在に至るまで、市の教育相談室を利用しています。

欠席が長く続き始めた時期に担任から登校を強く促され、他に相談機関はないかと探したところ、学校から各家庭に配布されていた相談機関の案内をたよりに電話をかけたのが始まりだったそうです。

「相談室のカウンセラーさんは悩みを聞いて下さるだけでなく、息子や私の意向を最優先に考え、何度も学校との間に入り提言して下さいました。

話し合いが上手くいかない時にも“お母さんは何も間違ってないからあきらめないで一緒に頑張りましょう”と励ましてくださって、前を向き続けることが出来ました」

学校側が強い態度をとる場合、自分たちが間違っているのではないかと悩んでしまうかもしれません。早めに中立的な第三者機関につながることで、学校側との話し合いはスムーズになるようです。

気になる人は、お住まいの自治体の教育相談室(教育センター)へ問い合わせてみてくださいね。

また気持ちの面では、通っていた幼稚園や保育園の先生や、その頃からの同級生の家族が心の支えになっているという方も複数いました。

不登校はどの子どもにも起こりうることですが、いざ子どもが学校に行きたがらなくなると「なぜうちの子だけ」と親が突然不安になることもないとはかぎりません。親子が安心して相談でき、本音を言える場所や人を持つことがなにより大事です。

子どもが学校に行きたがらなくなったら、まずは学校側とざっくばらんに話し合ってみるといいでしょう。子どもが不登校になったからといって、引け目を感じなくてもいいのです。

いまだに前時代的な態度をとられることもあるかもしれませんが、国の法律も不登校支援を後押ししていますから、そこでひるむ必要はありません。第三者機関に間に入ってもらうのも一案です。

<参照>文部科学省 「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果について」