『田中六五橘』は“これからの白糸酒造の指針となる酒造り”に

その田中杜氏が、東京農業大学醸造科学科から酒類総合研究所などを経て、蔵へ戻ったタイミングの2009年夏に立ち上げた日本酒が『田中六五』。白糸酒造にとっては、まさにアイデンティティとも言える存在だ。

橘は2020年12月発売の『橘6513』に続いてこの人気銘柄とコラボすべく白糸酒造を訪れ、田中杜氏から日本酒造りのノウハウを伝授されながら、様々なディスカッションを経て『田中六五橘』を完成させた。その完成度は、田中杜氏をして「これからの当蔵の指針となる酒造りとなった」と言わしめるほど。

橘も、「扁平精米という特殊な方法を取り入れたおかげで、雑みが極度に少なくなめらかでシルキーなお酒に仕上がっています。昨年末に発表した対となる『橘6513』は低アルコールで1杯目から飲みやすいお酒ですが、途中から『田中六五橘』に切り替えていただくと、より食事とのマリアージュを楽しんでいただけると思います」と語っている。

金属製ではなく、昔ながらの木製の甑(こしき)にこだわり米を蒸し上げる。撮影/鈴木規仁
甑(こしき)で蒸し上った米をかき混ぜつつ、次の放冷へ作業を移す。撮影/鈴木規仁
最新の設備や新蔵を備えながらも、要所は人の手と感性で造り上げていく。撮影/鈴木規仁
蒸した米を甑から出して広げ外気で冷却する放冷は新旧蔵の間で行う。
蒸し上げ~放冷の後、温度の下がった米を麹室に引き込み麹菌の種付けを行う。
酒母や醪(もろみ)などをかき混ぜる櫂(かい)入れ。醪の溶解と発酵との調和を図る。
美味しい日本酒を醸す上で欠かせない適切な温度管理。日々の地道な作業が続く。
克典氏(左)の実弟でデザイナーの公二氏(中)とパッケージについてディスカッション。
コラボレーションを重ねることでより親交を深めた橘(左)と田中克典氏(右)
白糸酒造の皆さんと。各地でのこういったふれあいが橘の何よりの楽しみでもある。
2020年2月14日にリリースされた現状の最新コラボ日本酒『田中六五橘』。撮影/鈴木規仁