写真:源賀津己
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「いまはチョイスするものが増えたから、ひとりひとりの個性はみんな強いけど、自分が興味の無いものは別にいいよ、っていう感じもあって。バーチャルの世界で簡単にコミュニケーションが取れちゃうけど、逆に大きなうねりのエネルギーを感じられない寂しさを感じている人も多いんじゃないかな。

だからこそ僕の『自走ツアー』のように、住んでいる街に直接会いに来てくれるっていう実感のこもったアナログ感が、いまの時代には合っているのかもしれないですね」
 

時は’12年。プレッシャー世代はいま人生の岐路に立たされている。25~30歳と言えば、社会に出てある程度の年数が経ち、このままの仕事を続けていいのか、本当にやりたかったことってなんだっけ――そんなふうに悩んでいる人も多いのではないだろうか。

岡平さんがいまのプレッシャー世代と同じ年齢だったころ、何を考えていたのだろう。そこにはいまと変わらない、“エンタテインメントを体現したい”という表現者としての熱い思いがあった。
 

「“楽しくない”って言ったらこの仕事に夢がないじゃないですか。いまは時代も変わりましたけど、25~30歳のころの僕らの世代って『バリバリやってるぜ!』って感じをあえて見せていました。ジャパニーズドリームを見せることも含めて、エンタテインメントだと思っていたんです。例えば、使う必要もないのにハーレーで渋公(渋谷公会堂)に行ったりしていましたからね(笑)。

エンタテインメントって、いつでも絶えずどこかにあるものなんです。それをしっかり掴んでおかないと終わっちゃうかなあって。僕はダンスができるわけでもないし、すごいワザを持っているわけでもないですけど、歌でもMCでもどんなかたちでも、エンタテインメントを提供できればと思っています」
 

厳しい現実や時代の流れを受け止めてきた過程を経て、無理して大きな成功を目指さず、身の丈にあった幸せを求める傾向にあると言われるプレッシャー世代(もちろん、これも人それぞれではある)。しかしそんな時代だからこそ、岡平さんのように強い信念を貫き通すアーティストに、人は心を動かされるのだろう。11月23日(金・祝)にZEPP TOKYOで開催されるツアーファイナルで、岡平さんがどんなエンタテインメントをみせてくれるのか、楽しみで仕方ない。

最後に、いまを生きるプレッシャー世代に向けてのメッセージをお願いすると、彼らしいこんなメッセージが返ってきた。
 

「じゃあひと言だけ、『男は50から。まだまだガキよ』。……僕、スナックのおばちゃんにこれを言われたんですけど(笑)。僕、そのとき仕事で悩んでいて、その日もよく行くスナックでウ~ンって悩んでいたんです。そしたら60歳くらいのスナックのおばちゃんに『男は50からよ。20とか30なんてガキよ。40もガキ』って言われて(笑)。でもそれで、小さい悩みがスッて消えていったんです。60のおばちゃんからしたら、50歳だって、まだまだこれからスタートって感じなんですよね。だから人生、何回だってやり直せるんです」


ソロ35都道府県38公演弾語り自走ツアー2012~ニッポンの唄~
集大成5大都市ツアー

11月3日(土・祝) 福岡/DRUM LOGOS <九州ファイナル> チケットぴあで購入
11月11日(日) 広島/club QUATTRO <中四国ファイナル> チケットぴあで購入
11月17日(土) 大阪/なんばHatch <関西ファイナル> チケットぴあで購入
11月23日(金・祝) 東京/ZEPP TOKYO <全国ファイナル> チケットぴあで購入
岡平健治公式HP