広がるLTEエリア、2台の「iPhone 5」を持って1都2県を回ってきた!

2012.10.31 19:45配信
ソフトバンクモバイルとau、2台の「iPhone 5」で速度を計測!

発売以来、品薄状態が続くアップルのスマートフォン「iPhone 5」。容量・カラーによっては、発表早々に予約したにもかかわらず、まだ入手できていない人もいると聞く。その一方で、「iPhone 5」の発売に合わせてスタートしたLTEサービス網の整備は着々と進んでいるようだ。今回は、ソフトバンクモバイルのLTEサービス「SoftBank 4G LTE」と、KDDI(au)のLTEサービス「4G LTE」の対応エリアと電波状況を調べるために、2台の「iPhone 5」を持って東京・神奈川・埼玉の1都2県の主要都市を回ってきた。

●端末発売・サービス開始からわずか1か月 かなり広範囲で使えるLTE

結論を先にいってしまうと、ソフトバンクモバイルの「SoftBank 4G LTE」、auの「4G LTE」とも、すでにLTE対応エリアはかなり広く、訪れたほとんどの場所でLTEの電波をキャッチできた。LTEが入るかどうかは、エリア・場所よりも、ビル影や地下など、周辺環境の影響のほうが大きいと感じた。

他の端末ではテストしていないので、「iPhone 5」固有の特性ということなのかもしれないが、LTE接続時は、画面左上のアンテナ表示がおおむね2本以上であれば、問題なく通信できる。アンテナ表示が1本でも、途中で通信が途切れてしまったり、ウェブページの表示スピードが遅いと感じたりすることはほとんどない。また、「iOS 6」から採用された新しいマップアプリを起動し、音声ナビゲーション機能(ルート案内機能)や「現在地の表示」を利用した際は、移動に伴って接続先がLTE/3Gの間で切り替わっても、途切れることなくそのまま動作した。

いろいろと試してみた実感として、ロック画面ではなく、ホーム画面やブラウザを起動した後、画面左上に「LTE」と表示され、通信速度計測アプリで正常に計測できた場所では、『LTEの電波が入る』とみて問題ない。計測中にLTEから3Gへ切り替わってしまった場所や、最初から3Gしか入らない場所では、途中で計測がストップしたり、アプリが落ちてしまったりして、うまく計測できなかったからだ。

●駅だけじゃない! 郊外も都心の繁華街でもLTEの電波をキャッチ

ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」は、LTEでは下り最大75Mbps、3Gでは下り最大21Mbpsの速さで通信でき、データ通信しながら音声通話をすることができる。仕様上、データ通信中に音声通話を始めると、自動的にLTEから3Gに切り替わり、通話終了後、自動的にLTEに戻る。

auの「iPhone 5」は、LTEでは下り最大75Mbps、3Gでは下り最大9.2Mbpsの速さで通信できる。採用している通信規格の違いから、データ通信しながら音声通話することはできず、着信があるとデータ通信はストップしてしまうが、通話が終了すると自動的にLTEでデータ通信を再開するので、KDDIでは実用上、問題ないと主張している。この「データ通信と音声通話が同時にできない」という制約をデメリットと判断するかどうかは、ユーザー次第だ。

さて、晴天に恵まれた10月某日。神奈川県に住む筆者は、身内の結婚式に参加するためにJR大宮駅まで電車で向かい、帰路、いくつかの観光スポットに立ち寄った。その際、ソフトバンクモバイル版(SB版)、au版の2台の「iPhone 5」を持ち、目的地まで向かう電車内をはじめ、さまざまな場所でLTEの電波状況を調べてみた。

最寄り駅からJR湘南新宿ラインに乗り、横浜駅~大宮駅間の電波状況を「iPhone 5」の画面を見ながらチェックした。ちなみに「湘南新宿ライン」とは、宇都宮線と横須賀線、東海道本線と高崎線を相互直通運転するJR東日本の路線で、系統と種別(特別快速・快速/普通)によって、停車駅が異なる。埼京線のホームに停車する大崎駅・恵比寿駅・渋谷駅・新宿駅・池袋駅では、池袋駅を除いて、どちらもLTEの電波をキャッチした。大宮駅の駅ホームと駅構内は、場所によってLTEが入ったり、入らずに3Gだったり、一定していなかった。しかし、改札の外や西口駅前は、建物の影になる場所など、一部を除いてほぼLTEを利用できた。

最初の目的地は、埼玉県さいたま市郊外の結婚式場だ。屋外・館内とも、LTEの電波が入り、通信速度は、ともに8Mbps~20Mbp程度と、かなり高速だった。許可を取っていなかったので、今回は速度計測しか行わなかったが、挙式・披露宴の写真や動画をリアルタイムでアップする「実況中継」もできそうだった。友人や家族に実況してもらいたい方は、式場の下見のときに高速データ通信に対応するスマートフォンやタブレット端末を持っていき、電波状況を確認してみよう。

翌日は、大宮駅からニューシャトルに乗車してひと駅の鉄道博物館を見学した。駅構内や駅ホーム、館内ともLTEの電波が常に入り、見学に疲れてベンチに座った際にインターネットができるという便利な状況だった。

帰路に、池袋駅と新宿駅で途中下車して、LTEの電波状況を確認した。池袋駅は、東口周辺だけを回った。ヤマダ電機の「LABI1 日本総本店 池袋」やビックカメラ、西武池袋本店などがあるほうだ。場所によっては3Gだったが、おおむねLTEだった。

新宿駅では、以前から一度から行きたいと思っていた東京都庁の展望室(無料)と、オープンしたばかりのビックカメラとユニクロのコラボレーション店舗「ビックロ」に寄った。東京都下を見渡せる45階の展望室は3Gだったが、都庁に向かう途中の新宿駅西口周辺や都庁近くの京王プラザホテル前、都庁前の都民広場はLTEだった。ただ、場所によって通信速度に差があり、ほんの少ししか離れていないにもかかわらず、京王プラザホテル前はSB版のほうが、都民広場はau版のほうが速かった。

一方、「ビックロ」のある新宿駅東口周辺は、どちらも全般的に電波状況が悪く、安定していなかった。ただ、「ビックロ」の館内に入ると、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」ではLTEを利用でき、計測したところ、下り最大30Mbps超と、かなり高速だった。また、待ち合わせ場所として有名な「新宿アルタ前」では、1日のなかで最も利用者の多い時間帯だったらしく、何度試しても途中でエラーになってしまい、最終的に計測を諦めた。

●場所によって異なるアンテナ表示本数と速さ 駅のホームは歩いてチェックを

大宮駅と比較するために、神奈川県のターミナル駅、横浜駅西口周辺の電波状況もチェックした。高島屋やジョイナスなどがあるほうだ。西口周辺も、屋外ではおおむねLTE。横浜近辺の学生の間で、待ち合わせスポットとして有名な相鉄横浜駅西口交番前では3Gだった。しかし、わずか数m離れるとLTEが入り、思わず空を見上げてしまった。LTEは高速で便利だが、残念ながら現時点ではすべてのエリアをカバーしていない。しかし比率としては、屋外に限るとLTEのほうが広い印象だ。

何度か計測するうち、駅のホームや駅構内は、場所によって電波状況が異なるとわかった。例えば横浜駅の場合、東海道線ホームの中央・階段付近は3G、東京寄りはLTEと、ホーム上を歩いているうちに切り替わった。ただ、全体的にまだ電波が弱いらしく、乗車すると3Gに切り替わってしまう。屋外に比べ、条件が悪い電車内でLTEの電波が入る場合、その周辺一帯でLTEが利用できる可能性が高いといえるだろう。電車内や駅のホームでLTEが入らないと思っている方は、試しに乗車する車両を変えてみるといいかもしれない。

【通信速度の計測方法・計測条件について】

計測期間は2012年10月21~23日。ソフトバンクモバイル/auの「iPhone 5」で、無料の通信速度計測アプリ「RBB Today Speed Test」を使用し、同じ場所で計測。LTE/3G問わず、数値の高かったほうに王冠マークを付与した。

一都2県、計26か所(電車内を含む)の平均ダウンロード速度(下りの通信速度)は、SB版が9.57Mbps、au版が7.37Mbps。LTEに限ると、SB版が10.5Mbps、au版が8.29Mbpsとなり、今回計測した場所に限ると、平均値はSB版のほうが上だった。

「iPhone 5」の発売と同時にスタートした「SoftBank 4G LTE」、auの「4G LTE」とも、9月21日のサービス開始から、まだ1か月程度しかたっていない。にもかかわらず、東京都心や東京近郊のターミナル駅周辺の繁華街で利用でき、少し離れた郊外もカバーしている。これほどの垂直立ち上げは、驚異的といっていい。ただ、お住まいの地域によっては、「iPhone 5」購入後、一度もLTEの電波をキャッチしていない方もいるだろう。両キャリアとも、首都圏だけではなく、地方まできっちりとカバーしてもらいたい。(BCN・嵯峨野 芙美)

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