夫も同じ「親」として、育児に参加する

――旦那さんも同じ「親」として、育児に参加しているようすが伺えます。「助手や部下のように夫を扱ったら、夫は何事も私から教わろうとしたり指示を待とうとしてしまって、子育ての面白さがよくわからないままになるかもしれない」という一文にハッとしました。

山崎「派手なシーン、初めてのシーン、人前に出るシーンは、できるだけ夫に譲りました。

写真を撮ったり、初風呂を任せたり、友人夫婦の前で実際以上に良い親ぶるのを見逃したりしました。

私は、腹で育てたり、出産を経験したり、長く子どもと過ごしたり、夫にはできない良いことをたくさんできているので、『育児の良いこと』をできるだけ夫に譲る気持ちが大事かな、と考えています。

あとは、『離乳食を作るのを手伝って』と言うより、レシピ本をポンと渡して『任せた』と言う方が、喜んで作っていた気がします」

――夫婦それぞれ、役割分担ではないがお互い得意なことをやればいい、ということが書かれていましたが、理想的な形ですよね。

山崎「世間のイメージや理想像を大事にした方が上手くいくカップルもいると思うんです。『女性らしいファッションが好き』『理想のママ像に向かって頑張る!』ということで輝く人もいますよね。

そういう人は、その路線で行った方が楽しく過ごせるはずです。

でも、私と夫の場合は、女性らしさや男性らしさの美点をあまり持っておらず、だから、私たちは頑張らずに自然にしていても性別イメージにはまりません。私は美人ではなく、優しくない。夫は優柔不断で、頼りない。でも、私は決断力があるし、夫はコミュニケーション能力が高いです。

人それぞれなので、力を入れて『性別イメージに囚われないぞ!』なんて思う必要はなくて、楽な生き方をしたら良いと思います」

――しっくりこない言葉として「旦那に見てもらってる」「旦那さんが協力的でいいね」などがある、と書いておられます。他にも、山崎さん自身が、対外的に言わないように、しないように心がけていたようなことはありますか?

山崎「ママバッグ、ワーキングマザー、シングルマザー、など、母親だけのものではないのに母親の名が冠された言葉は、できるだけ他の言葉に言い換えて喋っています。

赤ちゃんバッグ、ワーキングペアレント、シングルペアレント、など、自分なりに適当に話しています」