写真の“主役”を明確に 不要なものは写さない

光量と同様に、写真の印象を大きく左右するのが、構図だ。写真の構図と言うとなにやら専門的で難しそうに感じてしまうものだが、あれこれと考えず、とにかく「シンプルにモノを撮る」ことを意識するのが大事だと、黒田さんはアドバイスする。

「優れた構図を作るコツは、写真の中の“主役”をはっきりさせること。主役の存在感を薄めてしまう邪魔な“脇役” は、フレームの外に追いやります。あれもこれも入れようと欲張っちゃうと、結局何が撮りたい写真なのか分からなくなってしまう。余計なモノは写真に写らないようにすることで、被写体の魅力がより引き立つ写真になるんです」

モノを撮るにしても、風景を撮るにしても、まずは主題を明確にし、不要なモノは撮らないようにする。それだけでかなりシンプルで印象的な写真になるそうだ。

「モノを撮る場合であれば、白い布の上に置いて撮ったり、背景に何も写り込まないようにするといった細かな部分にまで気を配りましょう。写真の中の情報量をできるだけ減らして、写真のどこを見て欲しいのかを強調することが重要です」

次に重要なのは、フレームの中に被写体をどう配置するか。カメラ初心者が撮る写真に多いのは、被写体を画面のド真ん中に合わせた構図。俗に「日の丸構図」と呼ばれるもので、垢抜けない印象になる上、おもしろみに欠いた写真になる。

この構図から脱却するのが、いい写真を撮るための第一歩だと黒田さんは指摘する。

「ファインダーの中央で被写体にピントを合わせてそのままシャッターを押すと、日の丸構図になってしまいます。ほとんどのカメラはフォーカスロック機能を持っていますので、被写体にピントを合わせたら、シャッターを半押ししたまま少しだけカメラをずらして撮影してみましょう」