2009年の創業以来、爆発的にユーザー数を増やしている画像共有型SNSの革命児、『Pinterest』。自分のボードにお気に入りの写真をどんどん「Pin」していくスタイルは、多くの後続サービスでも採用されている。写真は、全世界に200万人以上のフォロアーを抱え、『Pinterest』で最も有名な“一般人”Jennifer Chongさんのボード。

写真やイラストを共有するソーシャルメディアが普及しつつある今、お気に入りの画像をきっかけに商品を購入するユーザーも増えている。世界で月間19億ページビューを誇る『Pinterest』と、それに刺激を受けて登場したサービス群は、今後ネットショッピングをどう変えるのか?

ピンタレスト型サービスが「EC(eコマース)」を変える

気に入った画像を「Repin」を押すと、自分のボードに同じ画像が「Pin」される。
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Twitter、Facebookに続くソーシャルメディアとして注目を集めている画像共有サービス『Pinterest( 以下、ピンタレスト)』。アメリカでは、インターネットを利用する女性の5人に1人が『ピンタレスト』を利用していると言われ、月間ユニークビジター数も2500万人を突破。名実共に“第3のSNS”として、目下急成長を遂げているサービスだ。

『ピンタレスト』は、とりわけEC業界から大きな注目を集めている。『ピンタレスト』上で共有される魅力的な画像に刺激され、ユーザーのECサイト利用が助長されるためだ。ECマーケティング会社の米SteelHouseの調査によると、『ピンタレスト』の広告効果はFacebook の2倍に上り、ユーザーの実に8割の人が『ピンタレスト』のボードに貼り出された写真を見て購入意欲がそそられると回答したという。今年5月に楽天が資本参入するなど、EC企業が『ピンタレスト』に寄せる期待は、もはやFacebookやTwitter を凌ぐほどだ。

ボードに貼られた商品の画像からユーザーをECサイトへ誘導することができる。
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『ライフハッカー[日本版]』の年吉聡太編集長も、『ピンタレスト』は写真の持つ伝える力を上手く利用したサービスだと語る。

「企業側が提供する宣材写真より、利用者が撮影した写真の方が個性的で商品の魅力をダイレクトに伝えるケースが多いということが、『ピンタレスト』を介したECサイト利用が活発化している理由でしょう。海外進出を拡大している楽天が、言葉ではなく画像を通して繋がる『ピンタレスト』に資本参入したのも頷ける話だと思います。収益面での課題は残るものの、今後『ピンタレスト』がECサイトに与える影響は見逃せないものになるのではないでしょうか」