卒業式のシーズンも終え、この4月から新社会人になる読者も多いと思います。学校を卒業し、実社会に飛び込む不安もあれば、わくわくした気分の人もいるでしょう。これから社会人になって、「働く」ということを学んでいくことになります。

しかし、「お金」のことについて教えてくれることはほとんどありません。学生が社会人になる大きな変化は、仕事を通じて生涯数億円の収入を得て、それを上手にやりくりしていくことでもありますが、そのやりくり方法を勉強する機会がないのです。会社も仕事のやり方は教えてくれますが、お金の管理は「自分で考えろ」となってしまいます。

そこで、今回は新社会人向けとして「マネー必須知識」を5つアドバイスします。社会人になってからそろそろ20年になるファイナンシャルプランナーとして、「自分が新社会人のとき、知っておけばよかった!」というヒントをご紹介します。まだ20代の読者にとっても参考になるところが多いと思いますよ。

1.「収入>支出」のバランスを意識する

いきなり新生活をスタートさせても、どれくらいお金を使っていいのか分からないことでしょう。大原則は「収入>支出」ということです。あなたの月収が20万円なら、1カ月に20万円以上使ってはいけません。当たり前ですが大事なことです。

しかも実際の手取りは16万円くらいになってしまいます。所得税・住民税・厚生年金保険料・健康保険料などが引かれるためです。だとすれば16万円の中でやりくりを考えなければなりません。さらに家賃や光熱費を引けば毎週自由に使えるお金はもっと下がります。

本当に自由に使える予算をチェックし、4で割れば一週間に使える金額のイメージがつかめます。「自分は1日あたりX千円くらい使える」ということを意識して買い物をすれば無理なく「収入>支出」が実現できますよ。

2.自分にちょうどいいお金の使い方をみつける

私たちはお金の使い方を、周囲をみて考えます。同僚や先輩が毎日800円のランチを食べていると、自分も同じランチを食べるものかと考えてしまいます。しかし、お金の使い方は「自分」が評価基準です。

自分にとってちょうどいいお金の使い方を見つけないと、周囲に合わせるあまりお金が残らない人生になってしまいます。特に「使わなくてもいい」と感じる出費はしっかり抑えておくことが大切です。自分が使いたい予算を確保するためにも、ムダな出費は避けることです。

今の自分の稼ぎに見合い、今の自分の生活スタイルにちょうどいいお金の使い方を最初の数年で身につけていきましょう。将来年収が増えなくても、あるいはうまく年収がアップしても、ちょうどいい買い物をする技術は一生役立ちます。